あたたかさを知る❄️「大丈夫か?」
🌹「平気だよ。寝てれば治る。だから早く行きなよ」
熱は三十八度を超え、体のだるさと寒気がレンを襲っている。最近、急に気温が上がり始めた。ここ最近、いつもに増して不規則な生活リズムだったせいもある。完全に夏風邪だ。
❄️「飲み物はここに置いておく。おかゆもあるから食べれそうなら食べてくれ。何かあったら連絡しろ」
🌹「子どもじゃないんだから大丈夫だよ」
小さい頃でもこんなふうに言われたことは無かった。父ら見向きもしなかったし、母はいない。使用人たちに看病された記憶しかない。
❄️「子ども扱いはしてない。甘やかしてるだけだ」
体調の悪いときにこんな言葉を言われたことは無かった。だから真斗と恋仲になってから、具合が悪いときは熱とはさらに違った温かさがあると知った。甘やかすための言葉と表情にレンは慣れていなくてくすぐったい。熱もさらに上がった気がする。
🌹「早く行きなよ」
とはいえ引き留めては行けないから、寂しさを我慢して送り出す。
❄️「いってきます」
🌹「いってらっしゃい」