地下に潜った時、眩いばかりの光を見た。
そのひとは翠緑の髪を涼しげに揺らしながら、まっすぐな瞳で敵を撃った。
横顔が、引き金を引く指が、たなびく隊服が。目に焼きついて離れない。
気づけば、自分も銃を手にしていた。
※ ※ ※
新和十八年九月───。
「四季サン!」
目当ての後ろ姿を見つけた三宙は、一目散に駆け寄った。声をかけられた人物は、立ち止まり鷹揚に振り向く。冷ややかな視線が突き刺さり、三宙はたじろいだ。
「何だ」
その一言だけで、腰が引けるようだった。やっと同じ階級になれたと思ったのに、威厳に慄く。けれど、ここで引くわけにはいかなかった。
三宙は一つ深呼吸をして、姿勢を正す。
「宇緑純参位、折り入ってお願いがあります」
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