アイラブユー・アイノウ 一生の不覚だ。
これを思うのも幾度目になるのか。
某国で無痛兵士の実験をしていたがKの介入で政府が心変わりをし檻にブチこまれたとき、筋肉ダルマからボコボコにされた挙句埋められかけたとき、とある独裁国家で下手を打ち捕まったとき、ドイツでペスト菌を研究している怪しげな施設に入り込んだはいいがバレて取っ捕まり暴れすぎて壁に拘束されて施設ごと爆破されかけたとき。
指折り数えていくと思ったより多くて厭になる。まったく波乱万丈の人生ですねえと呆れる顔が、脳裏に浮かんで消えた。
建物と言えば民家しかない、田舎の細道。これが五〇年から前であったなら、舗装されていない土の道で、そこらじゅうが水たまりだらけだっただろう。
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