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    すすき

    ミスブラ(ブ受)

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    すすき

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    【ネロブラ/フォ学】
    ブラッドリー誕前日の話。
    ネロは誕生日ど真ん中じゃなくて前日か翌日よなと思って書いた。
    日付変わる瞬間に自分の部屋にブラッドリーがいるかもしれないことにめちゃくちゃ動揺するネロがいる。

    ネロブラか……???みたいな出来になったけど私の中ではネロブラなのでネロブラです。
    誕生日の翌日にはちゃんとネロブラ夜のプロレスしてくれると思う

    ずっと同じところをぐるぐるとしているような気がしている。いや、気がしてるんじゃなく、実際そうなんだろう。ずっと同じことばかりを考えて先に進めない。ネロの持つシャーペンの先はずっと、問題文の傍線のとなりを彷徨っていた。
    〝問二 傍線部が示すものは何か、簡潔に答えなさい。〟
    答えは大体、近くにある。まずはそこから探してみること。真面目な声が脳裏に浮かんで消える。解法はわかっているのにどうしても探せなかった。滑らかに進んでいくはずの長針の音が聞こえたような気がして、ちらりと壁掛け時計を見上げた。もうあと一時間もしないうちに日付が変わる。秒針が進んでいくのを見守っていられずに、再び問題集に目を落とした。
    傍線をなぞりきる前に、シャー芯がぽきりと折れた。
    「そんな梃子摺るようなもんなのかよ」
    「あっ、おい! ブラッド!」
    ふいに伸ばされた腕が目の前の問題集を奪っていった。つるりとした表紙に印刷された現代文の文字を無意識に目で追って、辿り着いた先に見えたロゼ色の瞳に怯む。さりげなく視線を外し、問題集に手を伸ばした。いいじゃねえかと言いながら逃げていくのを途方に暮れたような気分で見送ってしまう。
    狭苦しい、ネロの自室の中だ。逃げるにしたって限度があって、ベッドに腰かけた姿がいやになるほどよく見えた。灰がかった睫毛が少しだけ伏せられて、丸っこい瞳が文字を追うように上下している。問題に興味があるわけじゃなくただの暇つぶしだ。そんなことさえわかってしまう距離だった。
    すぐに顔を上げたブラッドリーがそれらしい答えを口にする。投げてよこした問題集に苦言を呈して、さっきと同じように机の上に置いた。シャーペンをノックして芯を出す。少し考えて、答えをそのまま記入した。
    「別に大した事じゃなかったじゃねえか」
    「……かもな」
    頷くと、肩を竦めたブラッドリーが当たり前のようにベッドに横になる。暇だと顔に書いてあるくせに。つまらなさそうに床に落ちた雑誌を拾い上げてぱらぱらとページをめくっている。そんな風にするんだったら。
    「……何だよ」
    「いや、てめえ、何か……ねえのかよ」
    ある、ということはネロが一番わかっている。今日は十二月十二日。日付が変われば十三日。ブラッドリーの誕生日だ。
    日付が変わった瞬間にどうこう、という相手がいないのは知っている。だけどこんな風に無為に過ごして迎えていいような時間でもないだろう。
    明日のブラッドリーはきっと忙しい。こんなとこにいていいのかよ、と口に出そうとして、結局今まで何もできずにいる。
    「まあ、あるだろうな。色々準備してるみてえだしよ」
    「だったら……」
    「だからだろ」
    何かを見透かすような静かな瞳に貫かれて息を飲む。
    「だから、ここにいんだろ」
    「……素直に祝われとけばいいじゃねえか」
    「そうじゃねえってことぐらい、てめえも分かってんだろ」
    誕生日の前日に、日付が変わる瞬間に、この部屋にいる理由。
    誰かに祝われたくないからじゃないとしたら、何なのか。少しだけ縋るように聞こえる理由がなんなのか、今のネロには答えを出せなかった。握り締めたシャーペンが問題集を突き破る。
    「……朝飯は、大したもん出せねえぞ」
    料理に理由を求めてそう告げると、ブラッドリーの顔が傷ついたように一瞬暗く沈んだ。瞬きの間に消えたその表情が脳にこびりついて離れなかった。
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    すすき

    DOODLE【ミスブラ+オエ/魔法舎】賢者視点
    ミスブラ職人オーエンの話
    ……にしたかったんだけど、これであってるか分かんなくなってきたやつ。
    ここまで長くなるとは思わなかった
    窓の外には厄災が輝いている。美しい夜空をぼんやり眺め、はっと我に返って賢者は慌てて足を踏み出した。もうずいぶん遅い時間だ。
    賢者の書を書き進めることに集中していたせいか、それとも昼間の依頼での魔法使いたちの活躍を思い出していたせいか。すっかり夜も更けた今になっても眠気はやってきていなかった。まだまだ起きていられそうだが、これ以上は明日に差し支えそうだ。キッチンでホットミルクでも飲んで寝てしまおうと部屋を抜け出したところだった。
    しんと静まり返った廊下に賢者の足音だけが響く。同じフロアの魔法使いたちは早寝が得意な方だ。起こさないように足音を殺して階段を下りた。キッチンを目指す。
    「……あれ?」
    こんな時間までキッチンに明かりがともっているのは珍しいことじゃないが、その明かりが届かない廊下の片隅に立つ後ろ姿はあまり見たことがなかった。いつもなら、キッチンで甘いものを強請っているか、探しているかしているのに。もしかしたら厄災の傷だろうかとそっと背後に歩み寄った。
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