うまむすこ(仮)きょう、ぼくはこのおうちにきた。
やさしいおとうさんのロナートさん。おとうさんのむすこのクリストフさん。あとは、なまえはまだみんなおぼえられないけど、たくさんのひとたちがすんでいる。じゅうしゃっていうんだって。
おとうさんもクリストフおにいさんぼくのことをみてきれいだってほめてくれたんだ。とてもうれしいな。
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このおうちにきて1ねん。ぼくにおとうとができたんだ。中でも一ばんなかよしなのが、アッシュくん。すごーく小さくてきづかないでけっちゃったらとおもうとこわいなぁ。 アッシュくんはごはんをたべてるぼくをじっとみて、おいしい?ってきくんだ。じっとみられるのははずかしいけど、おいしいっていうとよかった!ってわらってくれるのがすごくうれしいんだ。ずっとなかよしでいようね。
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今日は、クリストフさまとアッシュくんといっしょに魚つりにいきました。
大きな魚をとったらぼくにもくれるって意気込んでたアッシュ君だけど、かかった魚が大きすぎて湖に落ちてしまい急いでクリストフさまに助けられました。ごめんなさいってあやまるアッシュ君をクリストフさまはケガがなくてよかったって頭をなでていました。ぼくもアッシュ君が心配で大丈夫?ときいたら君も心配してくれるの?大丈夫だよってやさしくなでてくれました。そんな様子をクリストフさまはおだやかに見守っていました。こんな幸せな日がずっと続けばいいな。と思いました。
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今日は、いつも昼には来るはずのアッシュが随分と遅れてやって来ました。やっと現れたアッシュは酷く悲しい顔をしていました。私が大丈夫かと、声をかけると私の方を見て、君にも伝えないといけないね。と小さな声でいいました。いつもと違う様子に嫌な予感がしました。
クリストフ義兄さんが、亡くなった。
それだけを言って俯いて涙を流していました。
なくなった…?どういうことでしょうか。
アッシュは、泣きじゃくりながら私を抱き締めました。そんな彼に釣られ私も悲しくなり一つ泣き声をあげました。
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今日は、朝早くからアッシュが私の元を訪れた。
今日からガルグ=マク士官学校へと入学するとのことだ。いつもと違う黒い服を着ている。士官学校の制服らしい。士官学校で学び騎士になると夢を語る彼はとても輝いて見えた。寮で生活をするから暫く帰ってこれないけど、元気でね。と私をいつもの様にそっと撫でた。お前も元気でと答えるとアッシュは名残惜しそうに私を抱き締めた。
私は、彼がいつも頑張っていることを知っている。彼なら夢を叶えられると信じている。騎士になった姿を重ね合わせ彼の背中をいつまでも見送った。
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このところこの城が、いや街の人々までもが荒々しい雰囲気に包まれている。私も鎧をつけられ訓練に駆り出される。
父上は譫言のようにあの教団を…あの女を殺すと呟いている。
かつて私を綺麗だと微笑んでくれた貴方のはどこにいってしまったのでしょうか……。
この戦いが終わったらまた昔みたいに私を撫でてくれるのでしょうか。
私は、従うしかない。その正義に。