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    SumikoGa389

    2次元の過去作品倉庫(聖剣伝説3ToMとDMCは新規更新はありません、過去作品はあげるつもりです)
    2年位埋もれてたけど今書きテェ〜〜〜作品はホヨバ〜〜〜ス
    原神🧋🍭⛓🌧と崩壊スタレの彦景
    ここはアーカイブなんで、2次元作品は全部置きます。
    R18はすごく癖が強く人を選ぶので興味本位で覗くと後悔しますのでご注意を

    ☆Waveboxも設置してみました
    https://wavebox.me/wave/amzyp5mtbbr413ev/

    ☆2.5次元専用倉庫はここ↓2019年までのMCUがメインです(更新停止)
    https://pictbland.net/cousyca2687

    写真はフィンランドの森です。

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    SumikoGa389

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    本当はシーズン化して続きを書く予定だったんですが、挫折しました。
    ほんのりルガケヴィ

    ##聖剣伝説3ToM
    ##小説

    皇子は踊る。月の輝く宮殿で Introduction マナの女神が眠りについてから4年。各地で戦乱のあとはいまだ残るものの、今は少しずつ平和へと向かっている。
    この森を支配していた精霊の力が減少したこともあり、永久と言われた夜の森にも僅かな時間であるがうっすら暁を取り戻しつつあった。
     三つ子の月を頂にそびえ立っている月読の塔の屋上の真ん中で、重い溜息をつきながら頭をうなだれている青年がいる。
    月よりも鮮やかな金の髪と、印象的な暁の光のような瞳をもつ青年…さらにこのひとならざるものの世界の王を次ぐもので、4年前マナの妖精の勇者に選ばれた一人である、その頃はまだあどけない印象の残る少年であったが、今や身長も伸びて顔つきも少し大人びてきた。
    (困った…どうすればいいんだ)
     人間の世界の祭りとあまり変わらないかもしれないが、この獣たちが住むこの世界にも毎年この時期に森と精霊に感謝する宴が行われる。この時ばかりは獣人王もミントスの村に出向いたり、ミントスの村の住人が普段寄り付かない城に訪れ、酒やたくさんの食材を持ち込み女性たちは花々を添えて着飾るというのも…この世界の恋の季節といえばいいのか、ようは自分の配偶者を探す宴でもある。
     彼はとても華やかな見た目でもあり、更にこの森の王位継承権もあって、自分の意志とは全く関係なく己の嫁になるべく獣人女達の熱い争奪戦が毎年繰り広げられるのである。
     それでもまだ少年だったときは少しはマシだったのだが、ここ2,3年で完全に悪化した。この森に住む女達はとても強い男が好きだ、この森を支配する者なら当然で、彼も勇者に選ばれた存在でもあり実力はある、さらに自分の容姿は人間の血を引いているせいなのか、よくいる獣人の男たちとも少し造形が違うらしくそれも一つの要因になっている。
     しかし彼は見た目の華やかさや本人の持つ実力とは裏腹に他人とコミュニケーションを取るのが非常に苦手で、喋るのも得意ではない、食べることは好きでも、祭り事よりも静かな森で友人の狼と一緒に過ごすほうが好みなのである。
     そしてもう一つ今年はさらなる問題を抱えてしまった…自分の隣で友人の狼の毛に埋もれてすっかり寝入ってる幼子のことである。

    ◆◆◆◆

     精霊ルナの力により自分に敗れて赤子になったルガーは、ケヴィンが森でこっそり見守りながら育てていた。彼は精霊の力で生まれ変わったのもあって、ほかの子供より成長は早い。
     最近はよく城の前で自分を待っていることもあるが、獣人はもともと森の中で動物達と一緒に育つのとカールが常にそばにいてうまくやってくれたため、他の獣人もこの子供の親をあまり気にしていないと思っていた、それにたまに大人が抱き上げてあやしたりしているのもみている。
     少し前に獣人王が人間達から少し王政を学べという言いつけにより、フレディとフレディの友人であるラルカンと三人でしばらく月夜の森をでてフォルセナに滞在していた。それはかつての仲間たちと出会い過去を語り手合わせをしとても充実で楽しい日々だった。
     数日滞在しなければならなかったため、カールに頼んでルガーの面倒を見てもらっていたのである。(たぶん頼んでなくても父王はでしゃばっていたと思うが)

     ミントスの砂浜に大鷲が降り立つとすぐに、ワンという相変わらず犬の鳴き声と勢いよく自分の名前を呼ぶ子供の声が聞こえてくる。大鷲に積んだ荷物をおろしながらそちらの方を向くと小さな塊が自分に思い切りタックルを食らわせてきた、予想外の力によろけそうになる。
    「ケヴィンーー!おかえりーー!!!!!」
    「わっただいま、ルガー。ちゃんといいこでまってたか?」
    「うん、おれちゃんといいこでまってたよ!」
     幼子をそのまま抱き上げて抱きしめられると、こちらもギュっと軽く抱きしめて後ろを振り返る。
     ドサリと荷物を落とす音がきこえてはっと気がついた、すっかり忘れていた、二人がまだいたことに。フレディとラルカンが真顔でこっちを見つめている、ふたりともわずかに顔がひきつっていた。
    「おっおい、その子ずっと誰の子だろうって俺たちずっと賭けてたんだよな?フレディ…まさか」
    「あっああ、みんな外れたな…みごとに。というかまじなのこれ?」
     二人の視線にものすごくいたたまれなってくる、これは一体どう説明すればいいのだろうか。目が点のままのフレディが思わず聞いてくる。
    「おいケヴィン、お前まだ10代なのにいつのまにそんなガキ…まさかお前一緒に旅していた美女とつくっ」
    「いやまて!確実に年齢合わねぇだろ、どうみても5歳くらいだぞこの子」
    「二人共なにかすごい勘違いしているようだけど、これはオイラの子じゃなくて、……ルガーなんだけど」
     思わず最後の語尾が小さくなってしまった、瞬間フレディとラルカンの顔が完全に凍りついたのがみえたので、これはほんとうに拙いと思った。
    「え?今なんつった!?ルガーって言ったよな?」
    「あっうん…」
     しまった、ついうんと答えてしまった、いや間違ってないのだが。二人が自分と少し距離を取ると、座り込んで顔を見合わせ、こちらをちらちらみながらやべぇよまじやべぇよあいつルガーっていったよな?あぁ俺もそう聞こえたわ、あの噂ガチだったんじゃね?ケヴィンだしなにか騙されたんじゃね?覚悟決めるか俺らぁ?などというセリフが聞こえてくる、正直自分がいたたまれなくなってくる。
    「だから二人共、この子はオイラの子じゃなくて」
    「なんで!!お前が!ルガーの子供育ててるのぉ!?」
     勢いよくこちらに顔を向けた二人の声がものすごく勢いよく声がハモった、こんな綺麗にハモることは多分ないだろうというくらいきれいにハモっていた、あまりの大声に眠っていた梟がびっくりして飛び立っているのもみえた。あらぬ方向へ勘違いされている。
    「!?……いやだから、この子がルガーなんだって、精霊ルナの力で、生まれ…変わって、子供に」
     二人の顔がますます引きつっているのがみえた、おそらく自分が伝えたいことは全く伝わってないのだけは理解できる、はぁっとため息を付いた。
     
     カールにズボンの裾を引っ張られると同時にふわわ〜と幼子が大きなあくびをしている、多分カールと一緒に長い間待ってくれてつかれたんだろう、そろそろ荷物を持ってミントスの屋敷にいくか森に戻らないとかわいそうだと一旦身体を抱き直すと僅かな寝息が聞こえてくる。
    「あのさ、二人共。この子完全に寝ちゃってるんで、もう行くから。あとは後ほど」
     これ以上何を話しても時間をここで無駄に食うだけでもったいない。開いてる手で荷物を持ちあげると、行こうとカールに声をかけた。

    「おい!ちょっとまてって……俺も男だ。覚悟を決めてやる…ラルカンあれちょっと聞いてみるわ」
    「おいフレディ大丈夫かよ、それ聞いたら俺たちここで一緒に八つ裂きにされねぇよな?」
     二人から離れてミントスの村へ向かおうと歩こうとしたところで呼び止められる。
     思わず眉根を寄せてしまった、うっという声が聞こる。なぜかフレディが突然深呼吸を始めるので、そんなに深刻な話しなのかと頭にはてなマークを浮かべながら振り返った、此の時振り返らずに先に村に入ってればよかったと後々後悔するはめになった。
    「おっ俺達も聞き方がわるかった…はっきり言ってこれをお前に聞くのは俺たちでもなかなか勇気がいることでずっと聞けなかったんだよ、ゆるしてくれよな……おっお前……やっぱ噂通りルガーのおんなだったんじゃ?」
    「へ? フレディ、流石にそれ、言ってる意味がわかっ…」
     フレディの今まで見たことのない完全真顔と目合うとなにを言わんとしているのかようやく気がついた。その内容を理解した瞬間思わず顔から火が吹いてしまった、まずい!口を開こうとした瞬間、忘れていたはずのあれやこれや最中を思い出してしまい、いたたまれなくなってうつむいてしまった。
    「あ…あうう…」
    多分、耳まで真っ赤だこれ…これではもう自分から名乗り出たのと同じだ、二人を躱しきれない。こんなところで余計なことまでバレてしまうとは…
     二人とも白目を向いたま完全に硬直しているのを見えた、だめだここにいるのが非常にいたたまれない。
     そんな自分を尻目に二人はいつの間にか少し自分と距離を置いて先ほどと同じように座り込んでコソコソと喋っている。
    「おい、噂ガチだったぜ」
    「匂いがっ…って最初に言い出したやつやっべーまじ天才、いやむしろ天災だな…」
    「いやまじでクソやべぇだろ?だっていくらこいつがベビーフェイスだからってさ、まだガキだったんだぞ」
    「未だに恐怖しか感じねぇよ。あの反応見ると確実に手を出してたんだよな、うっ…想像しただけで獣人王様でてきた、俺が消されそう」
    「しかもルガーのやつ自分の子供をケヴィンに押し付けて蒸発だろ。可哀想にな、辛かっただろうに」
    「なんでケヴィンが嫁探しに積極的じゃないのかこれで判明したな」
    「いやいやはじめてを今すぐ忘れろってのが酷すぎだろ、だってこいつまだ10代だぜ?」
    「いろいろとヤバすぎる…いくら人間の匂いがして、そのへんの女より可愛くても手を出しちゃだめだって」
    「あっ匂いで思い出した…もしかして事情を知った獣人王様に…蒸発させられたんじゃ?」
    「それ絶対にあるわ…匂いはな隠しきれねぇし…って…いやいやそこを触れちゃいけねぇよ、俺達も蒸発させられ」
     あまりにも好き勝手なことが聞こえてくるので流石に限界で頭に血が登ってきた、持っていた荷物を落とした瞬間コソコソと話す男二人に向けて白虎衝撃波をぶちかましていた。大きな光が二人のあいだをすり抜けて後ろの木々に爆音と轟音を響かせ、何事とばかりに村の人達もわらわら集まってくる。
    「オイラに言いたいこと、まだあるんだよな?噂って何?」
    「すいません、話しますから、消し炭だけは勘弁してください」
     二人の顔は恐怖に歪み、深々と砂に頭を埋める勢いで土下座をしはじめたので、完全に村人の注目の的になっていた、ひそひそと声がきこえる。
    「…いや…まぁ。泣きそうな顔で睨みつけるのやめろって、噂ってな‥その…お前興味ねぇから気がついてないと思うけど、実はルガーのやつ一時期から突然一切女と拘らなくなってな。ほらあいつすげー強かったし、あの若さで獣人王様の側近になったから当然美女もよりどりみどりでよってくるにきまってるだろ!?ところがすげぇ美女がめっちゃアピールしてもぜんぜん振り向こうともしなくてよーすこしは俺たちにまわしてほしいっておもったんだけど、そのくらいからかなーあいつにお前の匂いがして…お前ってほら他の連中と違うから匂いはすぐわかるんだよな…それが日を増すごとに強くなってくるから、あっまさかって、これ確実にお達し案件だなって、俺たち戦士の心は一つだったんだ、もうこれ以上はさ…みんな命惜しいからそれ以上一切触れなかったんだけどさ、ルガーも怖いけどなにより獣人王様を思い出すだけで玉ヒュンだし」
    「フレディが何言いたいのか、オイラ全然わからない」
    「うーごほん。まぁ、というわけで、お前はすでに未亡人みたいなもんじゃないかって噂がめっちゃたってて、それが今ここで確定したと」
    「なっなにが確定したんだ」
    「だからお前がルガーのおんなだったってやつだよ。実際にルガーの子供育ててるし、誰がみてもお前未亡人じゃん」
    「……それ、繰り返すのやめて」
     まずい…また顔が赤くなってきた…言ってることは正直考えたくもないし、理解したくもないんだが…
     
     よくよく考えても密着して体液うつされたら嫌でも相手の匂いはうつるに決まっている。獣人は人間より五感が鋭いため、他人の匂いを纏ってると思ったらすぐにわかるし、自分はさらにほかの獣人と違う匂いなんだから、その匂いを纏っていればだれだって気がつく。誰だって……ということは、ルガーはたしか側近だったよな。より王に近い立場…………父親にもとっくにバレていた事実に真っ青になった。

    「ふわわ…おはなしおわった ?ねむいー」
    「そうだね、オイラの帰りをずっとカールと待ってくれたんだろ?」
    「うん!ねぇどうしてケヴィンはさっきからおかおがまっかになったりあおくなってるの?」
     ルガーは首をかしげた。そんな子供の残酷で純粋な疑問をもらってしまうと、ふたたび顔が火を吹きそうになり、嫌な汗が流れ落ちる。
    「うぐっぐ…うん、あ……はは……ぼっ坊やには…くっうっ…関係ないよ…ははは…」
     ケヴィンはルガーから顔をそらすように村の方を見つめるとか村人がかなりの人数集まっていることに今更気がついた、思わず一瞬真顔になる。
    「うげっ」

    「あれって城の兵士と皇子だよな?」
    「まさか皇子が幼い子抱えてるのもちょっと驚いたけど」
    「数日前からいたあの子にそういう理由があったとはね」

    「えっちょっとまって、フレディ、今の話思いっきりみんなに聞かれていた?」
     これでは正直に話しても間違いなく誰も信じてくれない、このままだと自分を置いて蒸発したルガーの子供をこっそり育ていたというひどく理不尽な内容だけが確実に独り歩きするだろう、しばらくたてば此の森ほぼ全域に話が回る。こっちの方こそ父王に何言えっていうんだと本当に青ざめた。
    「まぁそうみたいだな!」
    「……フレディ…」
    「あっまじで俺を殴るのは八つ当たりだろ! 教えろって言ったじゃん自分で」
    「………」
     確かにそのとおりではあるのだが…二人を睨みつけて震え上がらせたあと、船を漕ぎ出したルガーを抱え直す。そうして荷物を掴むと一気にわらわら集まってきたミントスの住人を勢いよくかき分けて、城に戻らずそのまま真っすぐ塔に向かった。
    正直いまは誰とも逢いたくない、声かけられただけで叫びだしそうになってしまう、獣人王はなおさら嫌だ。ものすごい変な汗が浮かんでは流れてゆく…寄り添うカールが自分の気持を察したのか心配そうに見上げてくれていた。

     この話は案の定またたく間に広まり、普段絶対に感情を表にあらわさない父王ですら側近の前なのに声を殺して失笑した屈辱だけは絶対に忘れられない。月の精霊によってルガーが赤子になったという真実を理解してくれたのも実はこの父王だけである。父王は別に自分に孫ができることは少しも嫌だとは思わないが、どうせお前は相手が誤解するような対応をしたり、余計なことをして話題をひろげたんじゃないのか? 少しは頭を使えとはっきり言われてしまった。

     今年は宴の日が近づくたびにみんなの視線が今まで以上に感じるわ、普段から気合を入れている女子は遠回しにアピールしてくるし、それ以上に男からも馴れ馴れしく間近まで近寄られている、この前は腰を掴まれたし。
     父王からは民の話をきく大切なチャンスでもある、そろそろお前も王位を考えていかなくてはならない。今までみたく途中で絶対に逃げだすなよとかなりきつく言いつけられている。
    「こっこのままだと、今年は男女関係なく迫られる‥…どっどうしよう…オっオイラそういうの苦手なんだよ…」
     あの時一緒に旅をした仲間を思い出す、彼は自分から見ても綺麗な青年だと思ったし、さらにどんな女性も男性も言葉巧みにうまくすり抜けていた。
    毎回女性に声かけてほしい情報を盗み出し、男性に声をかけられても嫌な気分させずにかわし切る…正直自分には無理な話だ。
    「ホークアイ……たしか今ナバール離れて旅に出てるって聞いたなぁ…どこにいるんだろ…ホークアイに聞いたら教えてくれたかなぁ」
     彼は正義の盗賊というケヴィンにはちょっとよくわからない話だったが、年長の彼は細かいところまでいろいろと配慮してくれたし、俺女好きだしと公言していた割には、年下の自分に優しかったので兄みたいに慕っていた。多分兄弟ってあんなかんじなんだろうと教えてくれた気がする。
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