IFマヒルが那落迦を覗きにくるまでの話名前を呼ぶから返事をして
呼ばなくなったら、目を取って
体は朽ちても、いつも一緒よ
マヒル
マヒル
私の太陽
雛の囀りに微かに混ざる、ヒトの声。
ハーイ
それぞれの音は岩肌から滴り落ちる水とともに、暗がりに吸われて消えた。
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ある王国に、たいそう賑やかなお寺がありました。
力強いモンク僧、祈る信者、彼らを世話する癒し手、職人、農夫。
戦火から逃れてきた怪我人もいます。
みな彗星を司る壊神ラールガーを信仰していました。
たくましい体つきのヒューランやルガディンばかりですが、ひとり、ララフェル族の娘がおりました。
よく働く農婦で、畑作業の合間に説法を聞く敬虔な信者でした。
体の大きさは違えど、壊神の足元に集った仲間として厳しい世を励まし合いながら暮らしていました。
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