「刃、お前はどんな風に死にたいんだ。」
そんな質問をされたのは初めてだった。丹楓の脱鱗後のこの男を本人の希望に乗って丹恒と呼ぶようになってから少々、羅浮のとある酒楼の一角で共に酒を飲んでいた。
なんてことは無いただ居合わせてしまっただけなのだが、知り合いで別に避ける道理がないので相席をした。それだけで話すつもりもなかったのだが…
「なぜそのようなことが気になる。」
「別にただ…」
そういって口ごもってしまった。なるほど、この男は生意気にも人の生死について考えていたのだろう。思わず舌打ちをしそうになった。丹楓はそんな男ではなかった。そんなくだらない下々の悩みなど知らぬとばかりに敵を殲滅する男であった。丹恒はそんな丹楓より弱くなったと感じて、その変化に少し胸が痛くなった。
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