虚像に捧ぐ平穏が戻ったとある日のブルーベリー学園。昼休みが過ぎて、もう直ぐ午後の授業が始まるという時間帯。
「やっちまったべ……急がねえと……!」
俺、スグリはうっかり次の授業で使う教材を自室に忘れて、慌てて男子寮を早歩きしていた。
走ったら怒られるし危ないからなんとか我慢してたけど、忘れたソレは必須とも言える大事な物で。早く持って教室に戻らなければと凄く焦っていた。
「授業が始まるまであと何分だ……!?間に合え間に合え……!」
チャンピオン時代の癖で独り言を零しながら、近道を使って進む。
「ん?」
そこでふと、見知らぬ大きな影に囲まれる見知った白髪が目についた。
服装はいつもと違うが、あの髪とシルエットは。間違い無い。
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