3/4組無人島物語(拝啓、親父殿。オレは今無人島にいます)
黒羽は雲一つない空を見ながら、最愛のお父さんに思いを飛ばした。灼熱の太陽、煌めく青い海。これだけ聞くとバカンスだと思われるが、正真正銘の無人島にいる。なぜこんなことになると黒羽は友人たちの声を背に、思い返した。
いつも現場に来てたキッドキラーはいつもの間にか消えて、代わりに世間を騒がせた高校生探偵が戻ってきた。あの小さな好敵手ともう会えないことに黒羽は少しだけ寂しく感じた。向こうの事情を知る必要もなく、黒羽は自分の目的を果たすために行動した。
白い正装を着て、黒羽はキッドとして犯行頻度をあげた。その時期から、イギリスにいる筈の白馬と関西の高校生探偵も来るようになった。探偵たちはきっと本能的に察してしまった。キッドがもうすぐ消えると。
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