2人して溶けていく暑い。とにかく暑い。
蛍光町にも夏が訪れ、学校は夏休み。
学校がない分朝はゆっくり寝ることができるし、光クラブの活動も暑さで作業が進まないのもあり、暑さに弱い機械の点検を毎日交代で行くだけで、全員での活動は少ない。その代わり、夏休みの宿題が決められた日付までにできていないといけないので気は抜くことはできない。それでも、まだ14歳の俺らにはこの休みは毎年の楽しみでもある。
母やタマコが出かけている今、付き合ったばかりの恋人カネダとこの暑い部屋の中で2人っきりである。宿題一緒にしようとカネダの方が持ち出してきたものの、耐え難い暑さと恋人と2人っきりと言う状況に集中などできるわけがない。今はやっていたはずの宿題は手をつけず、2人して下敷きでパタパタ仰いで暑さを凌ごうとしている。
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