そしてふたりは邂逅する ◇
星が降る夜だった。その日はレッドがうちに泊まりに来ていて、オレの部屋のベランダで天体観測をしていた。
オレの横で欄干にもたれ、頬杖をついたあいつは、次々と縦横を流れる星々の軌跡を飽きずに眺めていた。空を見上げるその真剣な目に、星空の輝きが映り込んできらきらと光っている。より一層濡れたように黒く光る髪が、生ぬるい夜風にそよぐのを見ながら、今朝のニュースで得たばかりの知識をオレは得意げに話す。
「十年後、千年彗星っていうでっかい星が見られるらしいからさ、その時はまた一緒に星を見ような、レッド」
いつか道を[[rb:違 > たが]]えてしまうことなんて考えてもいなかったオレの口約束に、小さなあいつは頷き、無邪気に笑った。どちらからともなく差し出した小指を絡め合う。
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