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    #AIの民#Acc

    @AccLubOn

    AI絵作ってるから嫌いな人はみないでね
    鬼切くんがすき

    ※パスは何も書いてなければSP鬼くんが手に持ってる刀の本数です

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    鬼切湯たんぽの話なんかいもするぜ!オチはないです

    ##光切

    寒夜の説得寒風吹きすさぶ真冬の夜。
    頼光の布団の中では、毎晩恒例の「鬼切湯たんぽ」が稼働中だった。
    頼光は眠りながら無意識に鬼切をがっちりと抱きしめ、その体温を余すことなく享受している。
    布団の中はぬくぬくと暖かいが、鬼切の心中は穏やかではない。

    「……厠に、行きたい」

    鬼切は小声で呟き、なんとか布団から抜け出そうと足掻くが、頼光の腕の力は一向に緩む気配を見せない。
    まるで寒さを察知したかのように、ますます強くなっていく。
    鬼切はじっと頼光の顔を見上げた。

    「頼光様、頼光様、起きていますか?」

    頼光は返事の代わりに小さく唸り、さらに鬼切を抱き寄せる。
    頼光の腕力はまるで鉄のようで、驚くほどにびくともしない。

    「くっ……これでは出られない……!」

    鬼切は考えた。ここで無理に動こうとするのは逆効果だ。
    ならば、頼光を説得するしかない。

    「頼光様、少しだけ…少しだけ離していただけませんか?」

    鬼切がそっと囁くように言うと、頼光は寝ぼけた声で「何を言う。冷えるだろう」とだけ返した。

    「頼光様、本当に申し訳ありませんが、どうしても用事が……!」

    頼光は目を開けずに、無愛想に返事をした。

    「私とそれとどっちが大事だ」

    鬼切は天を仰いだ。

    「頼光様と俺のために、大事な用なのです……!」

    鬼切の必死な訴えに、ようやく頼光が目を開けた。
    鬼切の焦りきった声を聞いてようやく危機的状況を察したらしく、少しだけ腕を緩める。

    「……行ってこい」

    鬼切は「ありがとうございます!」と一言残し、部屋を飛び出した。

    深夜の廊下は凍てつく寒さに包まれており、鬼切は厠から戻る道すがら、冷たい空気に背筋を震わせながら歩いていた。
    足音が静かに響き、ほのかな月明かりが床に淡い影を落としている。

    部屋の前に立つと、鬼切はそっと中を覗き込んだ。
    布団に包まった頼光が静かに眠っているが、その身体は小さく縮こまっているように見え、どうやら寒さに耐えているらしい。

    鬼切は少し躊躇した後、静かに部屋へと足を踏み入れた。
    冷えきった手足を感じながらも、頼光を冷えさせないように慎重に、布団の中に潜り込む。

    ところが、気遣いの甲斐もなく、頼光はいつものように鬼切を抱え込んだ。

    「頼光様? 離れないと冷えますよ」

    鬼切は少し困った顔をして頼光に伝える。
    冷えた身体を頼光に触れさせないように、身体を引こうとするが、頼光の腕は鬼切を離す気配すら見せない。

    「外は寒かったろう。遠慮するな」

    頼光はそのまま鬼切を抱きしめ、温かい手で鬼切の背中を包み込む。
    鬼切はその手のひらの温もりを感じ、次第に冷えきった身体が温まっていくのを実感する。

    鬼切は頼光の腕の中で、安心したように深く息を吐いた。
    身体が温かくなるのを感じながら、少しずつ震えが収まっていく。

    「……朝まで頼むぞ、鬼切」

    頼光の寝息が穏やかになるのを感じ、鬼切もほっとしたように息を吐く。
    鬼切も体が温まり、気づけばうとうとしてしまっていた。

    布団の中には二人分の温もりが広がり、冬の夜も穏やかな静けさに包まれていった。
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