まだいっぱい言い訳したい時期の上杉と異世界が楽しくなってきてる頃のピ
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ヒト型の女悪魔が命乞いをしてきた。
俺の右腕は辛うじて繋がっているだけで動かせないし、足にも腹にも矢が刺さったままだ。だと言うのに俺の左腕がまだ動くのを見て、見下ろした先の悪魔はガタガタ震えて、止めて欲しい、死にたくない、と小さく声をあげる。
(……まるで、ひとだな)
すでに痛みで意識を失いそうな状態で、俺は剣先を悪魔に刺し、ゆっくりと押し込んだ。
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「ごめんなさい…私がもっと早く奇襲に気が付ければ」
いつもの元気を、欠片も見せずひどく落ち込んだ園村がゆっくり頭を下げる。
意識を失った後、何処かへ運び込まれたのだろう。簡易ベッドのような場所で横になっていた俺は園村を横目で見ていた。
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