「…」
チャボは今日も今日とて、素材集めの冒険に出ていた。
精霊の力を借り、モンスター達を倒して進み、建築材や食材、種なんかを山程手に入れた。
精霊達にもお礼を言って別れ、あとは家に帰るだけ。本来ならニッコニコで歩いている所なのだが。
「鬱陶しい。さっさと帰れよ」
横を見もせずにチャボが毒づく。
心底うんざりした表情だ。
「はぁ…わがままだな、お前は」
言われて溜息をついたのは、お礼を言って別れた筈の精霊のひとり、リュリウイである。
「チャボが別れたくないと言うから、この俺が隣に居てやってるんだろう」
「いつ?僕はさよならって言った筈だけど」
「お前の心が常に俺に語り掛けている。リュリウイ好きだ、片時も離れたくないと」
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