いってらっしゃい 衣擦れの音と、少しの怒気が孕んだ声で意識が浮上する。ゆっくりと目を開け、視線に飛び込んできたのは慌ただしく軍服の上着を羽織り、なにやら責め立てるように叱りつけているハインラインの姿だ。ノイマンを気遣ってか、声量は静かだが明らかにイラついている。気怠い体をもぞもぞと動かす。するとノイマンの視線に気づいたのかゆっくりと歩み寄ってくるのが見える。口を開け、声を出そうとした瞬間にハインラインは自分の人差し指を唇に近づけノイマンに見せる。喋るなということかと理解し黙るが、反対にハインラインは端末に向ける苛立ちを隠さない。なにやらトラブルらしい。今から向かうからさっさと解決に向けて動け!と端末に吐き捨てるように投げかけいた。
2500