支部に上げたシンくんの話「ルナ、ごめん…やっぱり俺……」
そう言ったシンの表情は困ったような笑顔だった。その中に辛さが滲んでいて、あんな人たちの言うこと気にしない!とか、そんなわけないじゃない!なんて言葉は言えなくなった。
これまでも幾度とこうやって気持ちを零すことはあったけれどここまでの事は無くて、だから、ああ、本気なんだなと実感した。
それから何度か言葉を交わしたが、それも虚しくシンは背を向けて歩き出した。
ルナマリアはその姿をただ見送ることしか出来なかった。
*
コンパスの地道な活動のお陰もあり、段々と戦闘は少なくなっていった。そうして暫く経ったあと、彼らを中心とした他組織の協力もあって戦うことはほとんど無くなり、そうして平和が訪れた。
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