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    おわり

    @owari33_fin

    アズリドとフロリドをぶつけてバチらせて、三人の感情をぐちゃぐちゃにして泣かせたい

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    おわり

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    『それは、終焉という名のミーティア』 リドル視点
    フロリド・アズリド同軸 男性妊娠

    キミは始まりのミーティア 前編 3(2)目が覚めると、性の匂いのしない部屋で、ボクは何事もなかったかのように眠っていたようだ。
     あれだけの性行為を繰り返した身体はやけにさっぱりしているし、昔からお母様が懇意にしていた洋服店のシルクのパジャマを着て、清潔なベッドで眠っていると、あれはただの酷い夢だったのではと思ってしまう。
     今日もなんでもない一日が始まるんだと、そう思って起き上がろうとしたけれど、身体はちっとも動きやしなかった。重だるい身体の奥は、未だに穴が空いているかのような空洞を感じる。それは、彼らとの性行為が現実だということだ。
     それよりも誰が後処理をしてくれたのかと、人の気配のある方に顔を向けると、アズールがあの時の様に椅子に座ってボクを見ていた。
    「おはようございますリドルさん、身体の方はどうですか?」
    「ず……る、ん、で……」
     思った以上に酷い声に、彼特製のレシピで作った喉痛に三割増効果のある魔法薬を口に含み、ボクに口移しでそれを飲ませる。まさか彼に一日に何度も口移しで薬を飲ませられる事になるとは……気持ちとは裏腹に、ハーブの濃い味が喉を滑り落ちると、痛みがずいぶん和らいだ。
     薬は良く効いて、少し咳を繰り返した後、彼の名前を読んでみると、普通に話せるまでに回復した。
     ボクに名前を呼ばれたアズールは、ニコリと笑って、ボクの髪をゆるりと指で梳いた。
    「明け方過ぎに、目を覚ましたジェイドから『フロイドがいなくなった』と報告があったんです。あいつが部屋からいなくなるなら、向かうのはリドルさんの所しかありませんからね……フロイドとセックスしたんですね」
     最後の言葉に、ボクは唇を噛み締めた。
    「アズール……ボクとキミとの行為を見ていたようだよ……キミのことは受け入れたのに、自分は拒まれたと、怒って……ボクを……」
     アズールは何も言わなかった。眼鏡の奥にある彼の真意が分からない。もっと深くにあるアズールの真意を探るように水色の瞳を見据えると、彼の顔が胡散臭く微笑む。その顔をされてしまえば、答えを聞き出すのはたやすくないだろう。
     涼やかな声に「これで、どちらの子供が産まれて来るか分からなくなりましたね」と問われ、ボクは胸の内にずっとあった事をアズールに問うた。
    「キミと契約したら……産まれる子供を呪いから救うことはできないのかい? 対価は……そうだな、ボクのユニーク魔法と、魔力の全て……とかならどうだろう?」
     ボクの言葉に、先程まで胡散臭く微笑んでいた顔が、理解できないと歪む。
    「そんな、だってあなた、夢はどうするんです!? 魔法事案の裁判官や魔法医術士も、魔力がなければ夢が実現できないでしょう!?」
     あぁ、そうだ。その二つはボクの胸にずっとあった叶えたい夢だった。そう……〝だった〟んだ。
     今はもう、それさえも過去形にできるぐらい、ボクの中で生まれてくるこの方が大切になっていた。
    「子供を産むとなると、ボクはもうリドル・ローズハートではいられない。お母様は絶対に、魔力を失ってまで産むことをお許しになられない。それ以前に、あの粘着質な『anathema』に子供を取られかねない……」
     そうだ、お母様にこの事を話して説得する以前に、あれほどの狂気を見せたanathemaが産まれてくる子供たちを狙うのは間違いない。ボクをこの世界から消して、子供たちにたどり着けないようにしなければならない。
    「それは……フロイドの子を妊娠した可能性が高いからですか?」
    「そうじゃない……産まれてくる子がキミとの子でも、誰との子であっても、ボクはずっと殺したくなかった、大切に……したかった……だって、死ぬために生まれるなんてあまりにも酷いと思わないかい?」
     そこまで言うと、アズールも何かを決意したのか、真剣な表情でボクの手を取る。
    「だったら、一つ賭けをしませんか? もし、授かったのが僕との子なら、僕と結婚しましょう?」
     結婚と言われて、今度は僕が言葉を失った。
    「……ボクと一緒になるということは、一生anathemaから隠れて生きる事になる。ボクや生まれた子が、キミの夢の障害になる事は間違いないんだよ?」と言えば、アズールは「分かっています」と、握ったボクの手に力がこもる。
    「分かってないよ……だって……それ以前にボクは、キミを〝そういった意味〟で好きになれるか分からない」
     そんなボクが、彼と結婚なんて、あまりもアズールに対して酷すぎる。きっといつか、ボクは自分が許せなくなる。
     ボクの考えている事を感じ取ったのか、アズールがいつもの様にボクの手のひらにキスをする。そのキスが、本当に愛おし気で、ボクは言葉が出なかった。
    「僕はあなたが好きだ、どうしようもないぐらいに。本当なら手の届かなかったあなたの、形だけでも夫になって、隣にいることが出来るのなら……それぐらいの対価、お支払いしますよ」
     言葉が出なかった。ここまでの覚悟で、彼がボクを好きでいたなんて……
    「それに、魔力を失って、慣れない土地で一人、十代後半……まだ法律上子供のリドルさんが、赤ん坊を一人で育てるなんて現実的じゃない。僕だったら、あなたと子供を養うぐらいできます。anathemaの事も、僕は簡単に僕の将来得る利益を他人に奪われるつもりはありません」
     彼の話は、あまりにもボクにとって都合のいい事ばかりで、その手を取ってしまいたくなる。
     ぐっと目を瞑り考えるボクに、アズールが駄目押しで言葉を続ける。
    「僕のことを好きになってくれなんて言いません、これはあなたの側にいたい僕にとって最後の賭けなんです」
     自分の子供が生まれないなら、この恋は諦めるつもりだと言うアズールに、ボクはとうとう折れて、その手を握り返した。
    「……分かった、キミのその賭けにのるよ」
     頷くと、アズールが心底嬉しそうにボクを抱きしめた。

     その後は、契約内容を細かにまとめ、アズールは高らかに歌うように詠唱し、彼固有のユニーク魔法を発動した。
     まばゆい金色の光が辺りに満ち、契約書が黄金色に染まる。
     交わした契約はこうだ。
     一、子供が生まれたと同時に、ボクのユニーク魔法と魔力を代償に子供の呪いを引き剥がす。
     二、余った分の魔力はアズールに譲渡する。
     三、アズールとの子が生まれた場合、ボクはアズールと結婚する。
     四、もしもアズールとの子供が産まれなかった場合も、ボクの生活が安定するまでは、アズールが世話をする。
     どう考えてもボクに有利な契約書に、ボクはサインをすると、「契約完了です」と、アズールが黄金の契約書をくるりと丸め、制服の内側にしまった。
     その後のアズールの行動は早かった。
     ボクには〝試そうとしたけれど、同性とのセックスに抵抗がある〟体で振る舞うように。そして、準備が済み次第学園から逃げられるように、前もって準備をしておくように(ただし足がつくような荷物は持ち出せない等を)言い聞かせられ、アズールは「anathemaに目をつけられないように、当分会いに来れません」とだけ言って、準備があるからと足早にオクタヴィネルに戻って行った。
     それからはあっという間だった。
     ボクはお母様に今まで育ててくださった事への感謝を手紙にしたため、学園長には退学の旨を……そしてトレイには、突然いなくなることへの謝罪と、新しい寮長候補の選出、今期残りの予定に沿った計画表等、寮長としての残りの仕事を片付けた。
     他にも、寮生やクラスメイト、部活仲間や知人たちに手紙を書いたら、机から溢れそうな数になった。
     そして最後に、フロイドに……謝罪と感謝を込めて、そしてキミが安易に学校を辞めてしまわないように、思いを込めて手紙をしたためた。

     全て書き終わった頃には、あれから二週間が経とうとしていた。
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    おわり

    PAST今現在、恋愛感情なんか微塵もないアズリドとフロリドの未来の子供がやってきてなんやかんやのクソ冒頭
    並行世界チャイルド それは、授業中の出来事だった。
     グラウンドの上。辺りが急に暗くなり、さらに大きな穴が空いた。雷鳴轟かせる穴。その口から吐き出された二つの塊が、このとんでもない事件の発端になるとは、この時はまだ誰も知る由もなかった。

     * * *

     授業中、慌てたゴーストがリドルを教室まで呼びに来た。緊急だと言われ、急いで学園長室まで向かうと、その扉の前でアズールとフロイドと出会った。
     苦手な同級生と、胡散臭い同級生兼同じ寮長である二人を見て、リドルは自然と眉を顰めた。
    「あー! 金魚ちゃんだぁ〜!! なになに、金魚ちゃんもマンタせんせぇに呼ばれたの?」
    「僕たちも先ほど緊急の知らせを受けて来たんです」
     この組み合わせなら自分ではなくジェイドが呼ばれるべきなのでは? とリドルは思った。どう考えても、二人と一緒に呼ばれた理由が分からない。こんな所で立っていても仕方ない、コンコンとドアをノックすれば、学園長室からバタバタと走り回る音が聞こえた。中からは、やめなさい! と言う声や、甲高い子供の声と泣き喚く声が聞こえた。
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    外の雨が強くなるにつれて突き刺すような痛みが徐々に強くなってきたこめかみをさすりながら眉根を寄せていた浮奇は、見兼ねたファルガーに鎮痛薬を飲むよう促された。当然の対応だとは分かっていたが昼前から痛んでいた頭は疲れ切って正常な思考を保てず、浮奇は鎮痛薬を差し出すファルガーの手を拒否した。ふーふーちゃんが抱きしめてくれれば治るだとか、脳みそを取り出して壁に投げたいだとか、キスして甘やかしてよだとか。とにかく悪態をついた覚えはあるが何を口走ったのか記憶にない。ただ、話を受け流しつつ浮奇の手を引いてキッチンへと向かったファルガーが唐突に顎を掴んできて、優しく重なる唇に安心したのと同時にぬるい水と薬が口内へ流れ込んできたことで浮奇はようやく正気を取り戻した。
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