あおいのは?ズズズとストローでジュースを啜るデミは、ぼんやりと花壇に顔を向けている。
肘をついてそんなことをしているので、マナーは悪い。が、指摘する人間は誰もいなかった。しても無駄な事を分かっているからだ。
向かいに座るエミリーは、頬に手を当てて溜息を零す。
「もう、お酒はほどほどにって言ってるのに」
「休肝日はちゃんと守ってる……」
「だからって浴びるほど飲んでいい訳じゃないのよ?」
「まるで陽を浴びた吸血鬼の様ね」
二日酔いのデミを見やり、マリーが楽しげに笑う。
庭に植えられた花々を一望出来る、少しだけ高く作られた白の東屋。そこの円卓でティータイムをするのが女王様のお気に入りの時間だ。一人の時もあれば、勝手に来るもの、招かれるものがいたりとその日その日で雰囲気が違う。それがまた楽しい。
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