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    ArenP

    @Aren_imas

    アイマスで文字書きしてます。普段はベッターやピクシブ使ってるんですが、表に出せないヤツは全部ここに投げようと思います。

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    ArenP

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    つく漣です。
    きゅうすが最高だったって話。弊社のつくも先生は推しに狂って、拗らせてる感じです。あしからず。軽くキスだけしてます。

    その姿を焼き付けたい「一希ぃ」
    「……なんだ?」
    「何回見んだよ、もういいだろ……」

    呆れ返った声に振り返れば暇を持て余した恋人の姿。
    今、手元のスマホでキレのいいパフォーマンスを披露してる姿とはまったく違う、緩みきった様子だ。
    それはそれで眺めていたい気はするけど、今は映像こっちだ。
    これが公開される期間は決まってる。

    「……この最初の殺陣、何度観ても新しい発見があって面白いんだ。最初の登場シーンのこの表情、敵を追い詰める鋭さがすごくいい。そこから階段を降りてくるこの余裕が、漣さんの圧倒的な強さが見れて好きだ。ここの回し蹴り、何度観ても美しいと思う。三方から襲いかかってくるのを翻弄しながら蹴散らしていくこの派手さが華麗で、何度でも見たくなる」
    「聞き飽きた」
    「……蹴散らしてからのこの静止が」
    「直前までの荒々しさと対比になってていい、だろ。わかったっつーの」
    「……最初の煽りが最高に盛り上がれるし、そこからの歌い出しの力強さも好きだ」

    パタパタと手を振られる。
    毎回、違う場所を褒めてたつもりだったんだが。
    全くそんなことは無かったらしい。
    それはちょっと悪いことをした。
    どうにも、この人のことになると言葉が疎かになる。

    「……何度見ても飽きないパフォーマンスは素直にすごいと思う。おれも負けてられないな」
    「そーかよ、そりゃよかったな」
    「……聞いてないじゃないか」

    明らかに適当になった返しに、改めて漣さんを見てみれば、こっちに背を向けてた。
    飽きて、不貞腐れたらしい。
    この前のライブ映像のアーカイブを見ながらの感想会だったから、いつも通りに端から端まで褒めちぎってた。
    見直せばまた新しい発見があって、だから何度も繰り返し見ては新しい良さを伝えていたんだが。
    結果的に放置してしまった形になったようだ。
    それは申し訳ないことをした。
    一旦、動画を止めて漣さんに近づく。

    「……漣さん」
    「んだよ」
    「……ステージの上で最高に輝いてる姿が好きだ。歌も、ダンスも、殺陣も、全部が一番カッコよくて、美しいと思う。他の人たちのパフォーマンスもいいけど、おれにとっての一番は漣さんだ」
    「で?」
    「……そんな人がここにいてくれて、おれは最高に幸せ者だ」

    後ろから抱きつく形で体重を乗せる。
    漣さんは特に文句は言わない。
    気怠そうに振り返った金色と目が合う。

    「だったら、どうするべきかわかってんだろ」
    「……そうだな」

    見上げてくるのに、手を付いて身体を浮かせる。
    ごろりと寝返りを打って身体ごとこっちを向いた漣さんは首に腕を回してきた。
    それに従って、口付けを落とす。
    啄むようにリップ音を立てれば、ちょっとは満足したらしい。
    見るからにその瞳から不機嫌が消えた。
    たったそれだけのことなのに、体温が上昇したのを自覚する。

    「……まるで甘い毒みたいだ」
    「2曲目」
    「……あんなカメラパフォーマンス、ズルいと思う」
    「それも何度目だっての」

    呆れながら、後ろに回されていた手がするりと頭を撫でた。
    そのまま耳の辺りを通って、頬を包むように添えられる。
    僅かに持ち上げられた口角。
    甘く誘う表情。
    添えられていた手がまた滑って、指先が顎を少し持ち上げた。

    「溺れてみるか?」
    「……とっくに溺れてる」
    「くははっ」

    正直な言葉が考える前に口から溢れる。
    漣さんは満足そうに笑って、口付けてきた。
    触れるだけの軽いキス。
    弄ぶような、意地の悪い触れ方だ。
    そんなの、どこで覚えてきたんだか。

    「どうしてほしい?」

    挑発的なウィスパーボイスが耳元から流し込まれる。
    甘い毒どころか、麻薬みたいだ。
    ゾクゾクとしたものが背筋を走る。

    「……もっと、甘くして。全部が欲しい」

    ふわついた心地に、熱を回されるまま。
    懇願すれば、ニィと口元を釣り上げる。
    面白がってる。
    でも悪い気はしない。
    おれの顎を捉えていた手が離れて、顔の横にあった手を取った。
    絡めるように握って、漣さんはおれの手の甲に唇で軽く触れる。
    はぁ、と熱い吐息が肌を撫でる。

    「この手、離すんじゃねぇぞ」

    甘く、甘く。
    どこまでも挑発的で、意地悪だ。
    ……本当に、どこでそんなの覚えてくるんだろう。
    ドラマで色々学んだんだろうか。
    もしそれなら、嬉しいような、悔しいような気持ちだ。

    「……返事は?」

    YES以外、言わせる気なんてない。
    その甘さに浸るように、おれは手を握り返して、深く口付けた。
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