運命の赤い糸②【藤堂 ーPurpleー】
家を出てから2時間後。
俺は自分の指に結ばれた糸の先を追ったが、未だに糸の先にたどり着くことが出来ずにいた。
一度休もうと道の途中にあったベンチに座って体を休めていると、持ってきた携帯電話が鳴り出す。
液晶画面に表示されている発信元を確認すると、そこには藤堂という文字が出ていた。
すぐに通話ボタンを押したが、一方的な会話は相変わらず。俺が今どこにいるかだけを聞かれ、素直に答えればそこで待ってろとだけ言って切られてしまう。
「赤井」
その数分後、約束通り藤堂の車が目の前に来た時に気づいてしまった。先程から探していた、俺の指からどこかに繋がる糸が、この車の運転席にあることに。
「で、あんなところで何してたんだ」
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