☆雨の中失恋する高峯
流星隊の練習終わり
「守沢先輩話があるんですけど」
「どうしたんだ高峯!元気がないじゃないか」
「……好きです」
「ん?」
「好きなんです、先輩のこと」
「……俺も好きだぞ!高峯のことを仲間として愛している!」
「そうですか……」
「?俺は何か間違ったことを言ってしまっただろうか……?」
「いや、気にしないでください……そんなことより、外雨降ってますね傘持ってます?」
「それが今日は珍しく遅刻しそうになってだな……急いでいたから忘れてしまった!」
「じゃあ、俺の傘使ってください。俺は折りたたみ傘使うんで」
「ありがとう!高峯は優しいな……☆」
「別に……あんた体調崩しやすいんだから気を付けてください、それじゃあ」
(あぁ……先輩の優しさが苦しい、俺の好きとあの人の好きは違う、結ばれないんだ絶対に)
(折りたたみ傘なんて本当は持ってないのに、あの人に優しいふりしたくて強がっちゃったな)
(……逃げるように学院から出ちゃったけど、あの人は明日いつも通りに話し掛けてくるんだよねきっと、何食わぬ顔で)
(この気持ちをどこにぶつければいいんだよ……)
☆Question
先輩は優しすぎるから俺だけのために生きてくれる訳がない。あの人は皆のために生きているから。それがヒーローだから。正義の味方という仮面を一秒たりとも外すことを許されなくなったあの人を守って、あの人のために生きようとする俺はヒーロー失格ですか?
☆過去時空、高峯をかばって死ぬ守沢
守沢が中学生高峯を庇って車に轢かれて死んで初対面なのに自分なんかのせいで死なせてしまった罪悪感で死ぬまでずっと病んでしまう高峯
でも、守沢的には見ず知らずの未来ある少年を救えたなら自分の命などって思ってそう
☆ヒーローになりたい
「先輩……!、守沢先輩にとってヒーローは呪いだったんですか、ずっと、先輩を苦しめてたんですか」
「……俺は高峯にとってのヒーローになれていなかったのか?」
「だって、あんたは人間ですから」
「そうか……なら最期くらいは格好いいヒーローにならせてくれないか」
☆隠し事
「ああ!俺は幸せ者だなあ…☆高峯と好きな物を共有出来るなんて!」
「はぁ…なんかいつもよりテンション高くないです?まるでこれから悪いことでも起こるくらいの空元気…」
「……」
「…先輩…?守沢先輩……!」
「……っ、あ…いや…何でもないぞ!俺はいつだって燃えるハートの守沢千秋だからな!」
「そうですか」
(結局最期まで、問題が起こるまであんたは何も教えてくれないんだ)
☆約束
「先輩は俺が死んでもずっと愛してくれますか」
「勿論だ!俺は一生お前を愛しているぞ」
「本当ですか?約束ですよ」
「あぁ、高峯との約束必ず守るからな!」
……
「そう言ってたじゃん…なのに、なんであんたが先に死ぬんだよ……!」
☆狂っちゃった
「高峯…最近様子が変だぞ」
「…俺は別におかしくないです」
「だが…意味もなく俺を縛るのは分からない、こんな事を言いたくないが異常だ…」
「あんたをずっと離れられないようにしてあげただけなのに!俺だけを見てもらおうとしただけなのに…!」
「高峯…」
「俺は正常に狂ってるだけです…」
「だからもう…もとに戻るなんて無理なんですよ」
☆理解者?
「こんなところで死ぬな守沢先輩…!」
「高峯…落ち着いて聞いて欲しい」
「は…何を言って…」
「俺はずっと人助けしていれば、誰かのためになっていればいつか報われると思ってた」
「だが、現実は何も報われなかった、ずっと俺のことを蔑んだ目で見てくる俺がいる」
「……」
「そんな俺を俺はもう見たくないんだ…だったら俺にとって一番の報いは死ぬことだと思ったんだ」
「あんた…自分の言ってることがわかってんの…?」
「これはヒーローの俺ではなく、一人の人間である俺として言っている」
「高峯もいつも死にたいと言っていたのだから、俺の気持ちも分かってほしい、理解して欲しい」
「……っ」
「ごめんな」
(俺には何も言い返す権利なんてなかった、先輩はそれを分かって話したんですか…)
☆意義
__最近、屋上で守沢先輩をよく見かける
一週間前も、昨日も、そして今だって……傷が増えてるのはどうして。
今日は声を掛けてみようかなんて思ってしまった。
それが悲劇の始まりだと知らずに。
「守沢先輩こんなところで何してるんスか……」
「……ああ、高峯か!ちょっと試してることがあってだな」
「試してること……?あんた傷だらけだけど、変なことしてるわけじゃないですよね?」
「……何回やってもヒーローになれないんだ、今日こそは空を飛べると思っても」
「もしかして……飛び降りようとしてたんですか」
「俺は飛び続けられると思ったんだがこうも毎日飛べないとなると結果論はそうなるな」
「は!?あんた馬鹿なの……?もっと自分を大事にしろよ!」
「すまん、でもヒーローになるという夢は諦めたくないんだ。いや……諦めたら俺の生きる意味は何処にあるんだろうな」
☆人間がわからない
「守沢先輩はどうして皆を平等に愛そうと思うんですか」
「ヒーローは常に誰に対しても平等でなければならないからな」
「俺はそういうことが聞きたいんじゃない、誰か一人を愛し抜く事は出来ないんですか…?」
「それはヒーローとしてどうな……」
「ああもう…!!さっきからヒーローヒーローって…!俺は人間の守沢千秋、あんたに聞いてるんです!なんで毎回全部言わないとあんたは分かってくれないんですか……」
「……すまん、人間としての俺はまだ不十分でな、自分でもよく分かっていないんだ」
☆あんたが壊したからじゃん
「守沢先輩が俺のことだけを見てくれないからこんなことになるんですよ……」
「……平等に人を愛するのはヒーローとして当然なんだ」
「俺が愛しているのはヒーローじゃなくて人間の守沢先輩です」
「……」
「その貰った愛を返したいだけなんです」
「でも、愛されて嬉しいはずなのに俺と同じくらいあんたから愛されてる人が沢山いるから……!あんたにとっての特別になりたくて……」
「……高峯、俺は不安なんだ」
「……は?」
「今の弱く、完璧ではない存在である俺に愛される資格は無いのではと……」
「高峯が俺のことをそこまで愛してくれているのは嬉しいが、俺はそれに応えられる自信が無いんだ」
「だからって誰彼かまわずに愛を振りまくなよ……それで傷付くやつがここに居るっていうのにさ……」
「……良かれと思ってやっていたことが大事な後輩を傷つけていたなんてな、」
「すまん……」
「あんたに振り向いてもらいたくてこっちはあんたを攫ってまでしたのに」
「待て、誘拐した理由ってそれだけなのか?」
「はぁ……そうですけど?逆に何だと思ったんですか」
「てっきり怪人とかに殺されるのかと!」
「えぇ……どこまでそんなスチャラカ脳なの……」
「だけどずっと一緒に居られるなら心中もいいかもしれませんね……?」
「え……?」
「最期まで先輩と一緒にいられるなんて俺は幸せです」
「未来ある後輩を死なすなんて俺はできないぞ……!」
「死んだあとに未来がないなんて決め付けないでくださいよ」
「俺だって、あんたから愛されなければこんなことしなかったですよ」
「先輩が俺を狂わせたんだ、ずっと、ぐちゃぐちゃだ」
☆失恋峯の台詞
「もう先輩のこと諦めますから、これで最後にするんで…あんたは他の俺以外の誰かと幸せになってください、そうじゃないと俺が諦められなくなっちゃいます。もうあんたを見て苦しい思いはしたくないんスよ、今まですごく幸せでした」
☆ヒーローだからなんでもできる
「人間って案外何でも出来るものらしいぞ」
「そうですか」
「ああ、だから俺は空を飛んでみたいんだ」
「は...... 人間に羽は無いし飛べるわけ……」
「大丈夫だ、高峯。俺はヒーローだから、飛べなくてもこれが最期でも……………」
「皆の心の中できっと生きてるから、そんな悲しそうな顔をしないでくれ」
☆ただの束縛
「なっ……、た、高峯急にどうしたんだ……」
「どうしたって...それはこっちのセリフですよ守沢先輩、どうして俺以外の人と楽しそうにしてたんですか」
「誤解だその人とは仕事の……っ」
「へぇ… 仕事なら何しても許されるんだ……、あ〜あ... こんなことならあんたのこと閉じ込めておけばよかった」
☆ホストクラブ(notバドエン)
ホストクラブがどんな場所か気になっている高峯、友人に誘われ半強制的に連れて行かれたところホストの守沢と出会ってしまい、太陽のような笑顔に惹かれ段々通うようになってしまう翠千
「あ、あのっ…!いつか遊園地とか行きませんか?俺はああいうところ得意じゃないけど、あなたは似合いそうだし……」
「誘いはとても嬉しいのだが、本来俺が楽しませてあげなければいけないのに逆になってしまうな?」
「ホストのあなたがとても苦しそうだから俺は千秋さんを助けたいんです」
☆本当に似ている?
「高峯は本当に死にたいと思っているのか?」
「変なことを聞きますね」
「お前の言う死にたいには希望が見えるからな、何故生きたいのに死にたいなどと言う?」
「なんであんたなんかにそんな事がわかるんだよ…」
「俺も昔はそうだったからな」
「俺だって死にたいと何度も叫んだ、今はお前たちがいるから生きていようと思えるけどな」
「へぇ…あんたから生きたいっていう気持ちは全く伝わらないですけど、それはどうしてですか?」
「さぁ…なんでだろうな」
☆クリスマスが今年もやってくる〜♪(ハピエン)
「守沢先輩、クリスマスって賑やかですよね」
「そうだな!それに俺達の色が沢山あって嬉しいぞ!」
「……あんたそれわざと言ってます……?」
「ん……?あっ!いや……嬉しいのは本当なんだ!」
「あぁもう……変にドキドキさせんな……」
久々に更新した2024/5/6
「あんたは俺を傷つけないために嘘をついてきたんだろうけど、俺はあんたが俺なんかのために嘘をついていた事実が一番苦しいです……、お願いだから俺のことも頼ってください……守沢先輩を守りたいんです」
☆番外編『守り方』
高峯「俺も一応ヒーローだから最善は尽くします。でも、怖い時は逃げたって良いんですよ」
守沢「ヒーローとして俺はお前を守る、笑っていられる為の居場所なら俺が作ってやろう!」
深海「いまが『こわい』ならぼくがそばにいてあげます、『だいじょうぶ』ですよ……♪きえたりしませんから」
南雲「俺は考えることは苦手ッスけど、助けるために出来ることはなんでもするつもりッスよ!」
仙石「元気がないときは拙者を呼んでほしいでござる!その時は沢山笑顔にするでござるよ」