give me 光定の愛は決して激しくはない。温かで、実直で誠実だ。ファイトをすれば興味深いし、この関係がいつまでも続けば良いと櫂は思っている。
しかし光定に強く抱きしめられた時、その腕の力の強さと男の手の大きさを感じてしまった。激しく壊されたい、この大きな手で触れられたい。
めちゃくちゃにして欲しい、と願ってしまう。そんな男ではないのに。
「光定……」
その大きな手に指を絡ませる。どうかこの手が自分を求めるように、と。
「櫂くん」
そう言って口付ける男はどこまでも優しかった。もどかしい。もっと本能のままに。
光定の右手が頬を撫でる。大きな手に心臓がはやる。この手で、どうか。愛おしく光定の手に左手を重ねる。
「光定……、この手で俺を壊せ」
「出来ないよ。君を大事にしたい」
「これでもか」
櫂は光定の手にゆっくりとキスをした。そして唇を重ねる。舌で光定の唇を開かせて官能的に舌を絡める。
「櫂くん……!!」
光定が強く抱き締める。櫂は締め付けられる感触に恍惚を覚えた。
「君が望むなら、僕の手も何もかも全て君のものだよ」
二人の鼓動はもう止められない。櫂の身体を光定の手が巡っていく。
「それでいい……」
触れられた手の温度を愛しく想いながら、櫂は刹那に身を委ねた。