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    xjellyfishkingd

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    xjellyfishkingd

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    悠リン(リンちゃん過去捏造注意)

    「…私も、悠真の事好きだよ…」

    その言葉を聞いて、僕の心の中にあった葛藤の雨が上がって晴れた気がした。

    いや、まだ少し曇ってるのだけども

    余命わずかである僕は、本来なら彼女にこの気持ちを伝えるべきではないのだろう。

    彼女を最終的にまた悲しませてしまうのだから

    ああ、でも自分は…欲深い人間でね、彼女を手放す事なんてできなかったんだ。

    だから僕は欲に素直になろうと思ったーーーーー


    「…リン、ちゃん」


    甘える様な哀願するような、熱を帯びた声で悠真はリンに手を伸ばしながら口付けをした。少女はびくりと一瞬緊張が走るが、彼から逃げない様に、全てを受けようとする健気さに心打たれる。

    それなら…

    彼女の後頭部に回した手で少女の頭を固定し、悠真は角度を変えると口付けを深くした。そしてそのまま彼女を抱き上げると少女は「これから」に気がついたのか、悠真を押し返そうと胸板を軽く叩く。

    悠真は自分の寝室に着くと、リンを白い清潔なシーツになるべく優しく寝かせた。

    正直、もし彼女がまだ「そういう事」をしたくないというのなら強するつもりはない。ただ、自分は「男」なのだと、男の部屋に警戒心無しに上がり込む無垢な少女に少しばかりの警告のつもりだった。

    彼女の小さな可愛くて甘い舌を口いっぱいに堪能した後に悠真はぷはっと唇を離した。銀色の系が彼女と自分の間に垂れて、艶やかな空気になる。目の前の可愛い恋人は顔をこれ以上になく真っ赤に少し困った表情を見せた。

    「…リンちゃん」

    『そこまで嫌ならこれ以上はなにもしないよ』と伝えるつもりだった。

    だが、少女は細く小さい人差し指を悠真の唇に置いた。

    「悠真…あの、ね。私、本当は…初めてじゃないの」


    その言葉を聞いて、正直、頭を鈍器で殴られた気分だった。

    嫉妬と怒りに己が狩られる前に、悠真は深呼吸を吐いて冷静を取り戻そうとした。

    確かに彼女のような魅力的な女性なら、きっと恋人だって何人か居た筈だ。
    そう納得させざるえなかったのだが、しかしやはり恐ろしいほどにショックを受けた悠真は早く少女を貪り、彼女の元彼に染められたそれを全て早く自分ので上書きしたくてたまらなかった。先ほどの感情を裏返し、もう絶対に帰すつもりはなかった。

    しかし少女は悲しそうな顔をしていて、それは悠真の理性をなんとか取り留めた。


    「本当の…お話させて、お願い」


    旧都陥落前、リンと兄、アキラはヘリオス研究所で(造られた)産まれた

    「パパとママと一緒にファミー市場をぶらつく週末の午後は一生忘れられない思い出」、そんな懐かしい過去、私とお兄ちゃんにはないの。

    だって私達にパパとママはいないんだもの。人間じゃないから。

    目の前の少女をどこでもいる普通の女の子だと思っていた、それがまるでScifi映画の設定のような非現実的な現実に悠真はただ言葉を失い、静かに彼女の話をただただ聞いた。

    そして陥落時、彼女達の今探している先生は攫われて、とりのこされた兄妹とその他の子供達は「怖い大人」達に囚われたらしい。


    「…そ、そのときに…っ、わ、わた…し…っ」


    いつの間にかリンの綺麗な緑青の瞳が輝き出すと思えば、涙が溜まり、大粒がこぼれ落ちる。あきらかに察した悠真は彼女を止めようとするが

    「怖い大人」達は女と男を分けると、少女達を襲ったらしい。

    反抗する子はなんの躊躇もなく殺された。
    反抗しなくても「楽しい」から殺した

    家で一緒に住んでいた姉妹達が殺される光景を見ながら、リンは「怖い男」に暴行された。悪夢の様なその出来事、兄が自分を連れて逃げて、そのまま逃亡生活が始まり、色々あって六分街に流れ着いた。

    「…こういうことは、ちゃんとはなさないととおもって…う、ご、ごめんなさい…っ」
    「…なんで謝るのさ、リンちゃんはなにも悪くないよ。むしろ話してくれてありがとう」

    安心できるように全力で優しく優しく彼女を抱きしめて、背中をさすった。すると震えた手で抱き返そうとする彼女の健気さにこれ以上ない愛しさを感じた。

    今更ながら、自分は自分だけの事しか見てなくて、彼女の事なんてまったく見てなかったと悠真は自責の念を感じた。先ほどのすべての自分から産まれた感情もそうだ。ああ、なんて自分はこんなにも自分勝手なのか。

    「自分が残していくもの」の事しか考えてなくて、彼女の過去や彼女の想いを知ろうと全くしなかったな自分は。それも彼女と彼女の兄が話そうとしなかった事もあるだろうが、もう少し自分は手心というものがあったのではないだろうか?

    「リンちゃん、ごめんね…」
    「どうして、悠真があやまるの…?」
    「だって泣かせたじゃん」
    「悠真のせいじゃないよ…」
    「リンちゃん
     僕はね、リンちゃんの事ものすごく愛してるよ」
    「…あ…っ…」

    悠真はわざとちゅちゅっと音を立て優しくリンの涙を舐め取りながら、キスの雨を顔に降らせる。

    「わ、わたし…普通の女の子じゃないし、は、はじめてじゃないけど、こんなわたしでも」
    「好きだよ、愛してる、心の底から最期まで僕の隣にいて欲しい」

    悠真の言葉にリンの瞳に再び涙がたまる、しかしこれは明らかに喜びの涙だった。

    「だからね、今日は何もしないから安心して」
    「え…」

    ん?

    笑顔が戻ったリンの顔が再び曇って悠真は首を傾げる。

    「あらら、リンちゃん、僕とエッチしたいのかな?」

    もしここでリンが顔を真っ赤にして首を横に降れば、このまま彼女の兄が待つ家に送り届けようと思っていた。

    「…悠真と…エッチしたい」

    恥ずかしそうに、クイと悠真麻のシャツの裾をつかんで上目遣いをして

    ああ、きっとアキラ君にお願いするときとかこういう感じなのかなーと呑気な事を思いながら、悠真の手は既にリンをベッドに押し倒していた。


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