レイチュリ / 夢でならきみにすきだと言える 1 ただ君のいない今日と明日と明後日と、それからずっとをどう迎えたらいいのかわからなかった。
理由を挙げるとしたら、ただそれだけの、
初めて降り立ったときはふたりだったその場所にひとりで向かうことにももうすっかり慣れた。
シャトルを降りて夢境ホテルのロビーでチェックインを済ませる。といってももうずっと同じ部屋を借りたままなので留守の間預けていた鍵を受け取るだけだ。そうして帰り慣れた自宅へ向かうかのような足取りで部屋までの廊下を歩いていく。
平日は一応ちゃんと帰宅しているとはいえ今週もまた研究室からそのままこちらへ来てしまったのでそろそろケーキ達が寂しがっているかもしれない。こうも頻繁にこの地を訪れるのならもういっそケーキ達を連れて拠点をこちらに移すべきなのかもしれない、ともう何度も思ったことが頭の片隅を過って、けれどきっと自分はそうしないであろうことも心のどこかでわかっていて、だから思うだけだ、今日もまた。
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