Ice Lolly 家族の夏季休暇に合わせて休日を取る同僚が多いこの時期、俺は随分久方ぶりに遅番を任されていた。度重なるトラブルで結局は夜勤の連中と肩を並べ仕事に励むこととなったのだが、本来なら俺も遅番から上がったら休日を迎える筈であった。
まあこんなこともある、大事を回避できて良かった──そう自身に言い聞かせながらロッカールームで十数時間ぶりに制服を脱ぐ。
今日一日を同様に休日にしていた同居している恋人、イライには連絡済みだ。
迎えに行くと言った彼女へは大丈夫だと返したが、心配だからと押し切られて、職場で待ち合わせをすることになっている。朝一のバスで来て、俺が職場まで来た車を運転してくれるそうだ。度重なる出動で頭も身体も重たい今となっては、正直頼んでよかったと思う。
4227