the gift of MITSUI「あの・・・三井先輩、ちょっとすみません。いいですか?」
放課後の駐輪場手前で、三井は1年生の女子生徒3人に囲まれていた。三井が歩いてくるのを、自転車にまたがってぼんやりと眺めていた流川は、小さく舌打ちをする。
期末テスト期間中で部活はなかった。毎回テスト結果が芳しくない流川は、バスケの自主練も禁止されている。
「ん?流川なら駐輪場にいるぜ。ほら、あそこ」
声を掛けてきたのが1年の女子生徒だったためか、お目当ては流川だろうとこちらを指差し三井がそう返すのが聞こえた。
「あ・・・えっと・・・私たち三井先輩に用があるんです」
背の高い女子がきっぱりと答えた。確かクラスメイトだったような気がする。見覚えがあった。
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