Shine *
大きく立ちのぼる赤
轟々と燃えて 全てを焼き払う
誰にも負けない 真っ赤な炎
眼下で繰り広げられる拳のぶつかり合いを見ながら、水戸洋平はそんなことを思っていた。どこにでもある不良同士の喧嘩だ。いや、正確にはたった一人に六人がかりで暴行を行っているのだから、喧嘩というよりは一方的な暴力だ。本来ならば──。しかし現実は全く負ける気のなさそうな一人と、数で打ちのめそうとする六人の、まさしく戦いだった。
赤い髪の男のことを洋平は知っていた。三日前、担任の後について入ってきた転校生だ。
大きな体躯に鋭い目、極めつけがあの赤髪。
否応なしに目立つ容姿では、不良達の目を避けて通ることは出来なかっただろう。
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