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    岩藤美流

    @vialif13

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    岩藤美流

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    これは大事故を起こしたシリーズのルクヴィル編ですた

    ##ルクヴィル

    何も大事故を起こしたのは、オクタヴィネルの人魚達だけではなかったという話である。



     ヴィル・シェーンハイトはバスローブ一枚を身につけてベッドに腰掛けたまま、ぼんやりと「どうしてこんなことになったのかしら……」と今更ながら途方に暮れていた。
     事の始まりは、あのオクタヴィネル印の化粧水である。アズール・アーシェングロット始めとした3人の肌の艶は、ヴィルも感心するものだ。あの肌は並大抵の努力では手に入るまい。何としてもその秘密を突き止めたい。ヴィルはそうして狩人を放った。
     ヴィルの美しさのためなら、と快諾した彼は、1週間の調査の後、ヴィルに意気揚々と報告したのである。
    「ヴィル! 彼らの肌の艶やかさの秘密らしきものを掴んだよ」
    「あら、流石ねルーク。それで? 一体彼らの秘密はなんなのかしら」
     自室にやって来たルークに紅茶の一つも出して労ってやりながら、ヴィルが尋ねると、彼は笑顔で言った。
    「セックスさ!」
    「せ、……は?」
     ヴィルは思わず眉を寄せたけれど、ルークは気にした様子もなく、いつもの調子だ。
    「セックスだよ、ヴィル」
    「ルーク……アンタ、本気で言ってるの?」
    「ウィ。いいかいヴィル。彼らはどうやら、セックスをしているようなんだ。3人とも例外無くね。つまりそういう事だよ」
    「は、……早合点が過ぎるんじゃないかしら? 確かにそれは彼らの秘密でしょうけど、仮に本当にしているとしていても……」
    「いいかい、ヴィル。よく思い出して」
     ルークはずいとヴィルに身を寄せて微笑む。
    「君は学生だし、まだ若い。でもヴィルの先輩にあたるモデルたちにある妖艶な美しさは、まだ君には無いとは思わないかい?」
    「そ、……それが、セックスに関係有るって言いたいの? まさか……」
    「聞いたことぐらいあるはずだよ。女の子は性経験をすると美しくなるってね。もちろんそれだけじゃないだろうけど、ホルモンバランスや多幸感が精神や肉体に影響を及ぼす可能性は有る」
    「だから、アタシにセックスをしろって? 冗談じゃないわ、美しさの為とはいえ、好きでもない相手と一夜を過ごすなんて……」
    「ノン、いいかいヴィル。多幸感は心を許す相手との行為でないと得られないものだよ。そんなことをしてもしかたないさ」
     そこでルーク話法に乗ってしまったのがヴィルの過ちだ。彼を半ばからかうように、ヴィルは言ってしまった。
    「あら、だったらアンタ、アタシの美しさの為に今夜を共にしなさいと言ったら従うの?」
     できないでしょう、と笑う前に、ルークは大きな声で言った。
    「勿論だとも、ヴィル! 私の持てる限りの知識と技術で、君と熱い夜を過ごすよ!」
    「……そ、……そう、……アンタ、正気なの?」
     ルークがあまりにも自信満々なので、ヴィルは押されてしまった。これも良くなかった。
    「ヴィル、君は美しくなりたいんだろう? なら夜を共にする相手を得るべきだよ。この学園でもしそれを選ぶとしたら、私以外に適任はいないんじゃないかな」
    「……それは、……まあ、そうだけど……」
     ヴィルがこの学園で最も信頼している相手が、ルークであることに間違いはない。それはそうなのだが。本当に、セックスで美しさを得られるのか。大いに疑問だ。
     それに、ヴィルはその手の事情に詳しくない。そういうことはあまり考えないようにして来たから、知識が無いのだ。そんな状況でルークを抱けるようにも思えなかった。
    「……でも少し時間をちょうだい。アタシはヴィル・シェーンハイトよ。やるなら完璧な状態で挑みたいの。勉強をしてからアンタを抱くから、1週間後に……」
    「ヴィル、君は女役をしたほうがいいと思うよ。つまり、私が君を抱くのさ」
    「はあ? どうしてアタシが。アタシは男よ?」
    「勿論、私も男さ。しかしヴィルの美しさは中性的だし、女役をしたほうがホルモンも増すんじゃないかな。……まあ、男同士のセックスは女役の方が大変だからね。君が無理なら、私がやろう」
     無理、と言われると何か挑発されたように感じて、ヴィルは「アタシを誰だと思っているの」と返す。
    「アタシにはできるわよ。わかった。1週間後、アタシはアンタに抱かれるわ。それでいいでしょう」
     そして気付いた時にはとんでもない約束を交わしてしまっていたのだった。
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    TRAININGぐだマンワンドロワンライ
    お題「天使の囁き/ダイヤモンドダスト」
    はぁ、と吐き出した息が白く凍っていく。黒い癖毛を揺らしながら雪を踏みしめ歩く少年が鼻先を赤く染めながらもう一度大きく息を吐いた。はぁ。唇から放たれた熱が白く煙り、大気へと散らばっていく。その様子を数歩離れたところから眺めていた思慮深げな曇り空色の瞳をした青年が、口元に手をやり大きく息を吸い込んだかと思うと、
    「なぁマスター、あんまり深追いすると危ねぇっすよ」
    と声を上げた。
     マスターと呼ばれた癖毛の少年は素直にくるりと振り返ると、「そうだね」と笑みと共に返し、ブーツの足首を雪に埋めながら青年の元へと帰ってきた。
     ここは真冬の北欧。生命が眠る森。少年たちは微小な特異点を観測し、それを消滅させるべくやってきたのであった。
    「サーヴァントも息、白くなるんだね」
     曇空色の瞳の青年の元へと戻った少年が鼻の頭を赤くしたまま、悪戯っぽく微笑んだ。そこではたと気が付いたように自分の口元に手をやった青年が、「確かに」と短く呟く。エーテルによって編み上げられた仮の肉体であるその身について、青年は深く考えたことはなかった。剣――というよりも木刀だが――を握り、盾を持ち、己の主人であるマスターのために戦 2803

    YOI_heys

    DONE第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』で書かせていただきました!
    ひっさびさに本気出して挑んでみましたが、急いだ分かなりしっちゃかめっちゃかな文章になっていて、読みづらくて申し訳ないです💦これが私の限界…😇ちなみにこちらhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17839801#5 の時間軸の二人です。よかったら合わせてご覧下さい✨
    第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』※支部に投稿してあるツイログまとめ内の『トイレットペーパーを買う』と同じ時間軸の二人です。
    日常ネタがお好きな方は、よかったらそちらもご覧ください!(どさくさに紛れて宣伝)



    第1回ヴィク勇ワンドロワンライ『ひまわり』


    「タダイマー」
    「おかえり! って……わっ、どうしたのそれ?」

    帰ってきたヴィクトルの腕の中には、小ぶりなひまわりの花束があった。

    「角の花屋の奥さんが、持ってイキナ~ってくれたんだ」

    角の花屋とは、僕たちが住んでいるマンションの近くにある交差点の、まさしく角にある個人経営の花屋さんのことだ。ヴィクトルはそこでよく花を買っていて、店長とその奥さんとは世間話も交わす、馴染みだったりする。

    ヴィクトルは流石ロシア男という感じで、何かにつけて日常的に花を買ってきては、僕にプレゼントしてくれる。日本の男が花を贈るといったら、母の日や誕生日ぐらいが関の山だけど、ヴィクトルはまるで息をするかのごとく自然に花を買い求め、愛の言葉と共に僕に手渡してくれるのだ。
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