任意幽閉ジャラリ、と首についた枷を見る。オレはいつでもそれを外すことが出来る。けれど、ただ家主が帰って来るまでの昼下がりをアイツの香りで満たされた部屋で享受する。季節はもうすぐ高校二年になるんだなって言うくらいの冬。先輩たちは送り出して、でもたまに遊びに来るみたいな、そのくらい。
「桜木、流川あんた達はテスト期間部活練習禁止ね」
先輩のマネージャーから告げられた死刑宣告にも近いそれは、夏のオレたちの過ちを浮き彫りにさせる。バスケができねーなんて、考えることも無かったけれど、赤点のテストたちが義務教育の終わりを突き付ける。
「そんな! アヤコさん、もう赤点なんて取らないっすよ!」
うるせーどあほうは、そうやって抗議していた。オレも不服だけれど視線だけでそれに同意をする。すると、新キャプテンとなったオレ等赤点軍団の一員である宮城先輩が喝の如く叱咤を浴びせてくる。
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