今は、傍にいよう ハチドリはベッドに横たわっている。汗が噴き出して玉になって流れ、長い髪に吸い込まれていく。ツルは氷水を張った桶に新しいタオルを浸け、固く絞る。ハチドリの湿った額を数回撫でると、心底気持ち良さそうに息を吐いた。
「 、ぁ…ー、ぅ……」
「辛いですね……」
「やだー…、あそぶ……」
「熱が引いたらお好きなだけ遊んでください」
「ツルのいじわる……」
「あらあら。今日は言葉のチョイスが可愛いらしいですね」
いつもなら「けち」とか、訳を話した後に間髪入れずに「なんで」と言ってくるが、さすがに今は堪えているのか、いやに弱い。思わずツルが笑うと、ハチドリは潤んだライムグリーンの目を細め、また額の汗を拭くように強請った。
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