HQ侑北とSD沢深 宮城がURLにあったカフェバーに到着し店員に名を告げると、まっすぐ一番奥の半個室に通される。先客は一人、座っていてもわかる恵まれた体躯に特徴的なデザインの小さな坊主頭が乗っている。
「うぃーす、お久」
「ウィっス」
沢北はちら、とこちらに目を遣ってメニュー表を寄越してからすぐ手元の書類に視線を戻す。どうやら今日の企画書のようだった。宮城のバッグにも同じものが入っているのですぐにそれと判別できた。
「宮城、バレーボールって観たことある? 」
「テレビでなら結構。ルールもなんとなくわかるぜ。母ちゃんが好きなんだよ」
「ふーん。オレぜんぜんわかんねえんだけど大丈夫かな」
「別に試合の解説するわけじゃねえし。同い年のアスリート集めてプライベートなこと話させたいんだろ」
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