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    sexy_onnaspy

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    sexy_onnaspy

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    スパコミで無配しようとしていたりかおせです
    「職業・魔法使い悪の組織に童貞狙われています!」のネタバレ有りの後日談です。エロいやつではない!(大ネタバレ)

    ”おはなし”しようね 湊大瀬が独りよがりの大迷惑暴走した挙句、キモすぎる矯声を響かせた罪から一週間。
     このクソ吉による愚行のせいで研究所と共に僕らのアジトも破壊され、僕たちカリスマは全員仲良く理解さんのお家でお世話になることになった。
    理解さんは最終的に全員と結婚するため同棲は問題ないと快く引き受けてくれた。ついでに、それぞれの実家に挨拶に行く算段も立てていた。正直勘弁してほしいが、理解さんの際限がない甲斐性には感服だ。やはりすごく器の大きいお方だ。
     このクソ裏切り者のせいでアジトを失った皆さんも、幸い現状には満足しているらしく、理解さんのお家で好き勝手過ごしている。
    「そろそろ、溜まっているのではないでしょうか」
     そんな新たに始まった日常の最中。天彦さんが呟いた。
     とても真剣な顔だ。きっとソワソワと獲物を狩る時を待っているのだろう。
    「天彦調べでは、理解さん、あれから一度も抜いていないんですよ」
    「キモッ、何で把握してんだよ」
     猿川さんが舌を出して天彦さんを揶揄うが、天彦さんは子供をあしらうように余裕の笑みを返した。
    「……猿川くんは理解さんの家に来てから一度だけ理解さんの服を借りて一人でお楽しみを……」
    「オイ‼︎これ以上喋ったら殺す‼︎ 何で知ってんだよ‼︎キメェ‼︎」
     とんでもない事実を暴露しかけられたことにより、猿川さんは暴力でその秘密を堰き止る。(ほとんどYESと答えているようなものだが)天彦さんは猿川さんを扱うのがお上手だ。
    「猿ちゃん落ち着いて! いい子にしないと理解くん抱いてくれないって言ってたじゃん。また先延ばしになっちゃうよ」
     いおくんの言う通り、あれから理解さんとえっちをした人はいない。
    理解さんはえっちを要求してくるみなさんに対して「いい子でいればご褒美としてえっちをしてあげる」という条件をつけたのだ。開き直って性行為を報酬とすることで僕たちの更生をするつもりらしい。僕たちは相当えっちが大好きな集団だと思われているみたいだ。
     正直この関係はある意味えっちでインモラルだと思うのだが、理解さんは僕たち全員を幸せにするにはこれが最適解だと判断したのだ。確かに理解さんは僕たちに正しい行動を行わせることができて、僕たちはそれに従えばえっちをすることができるというWINWINな関係ではある……のだろうか?兎にも角にも理解さんは転んでもタダでは起きない気高い精神をお持ちだ。

     問題はクソ吉をはじめとした元悪の組織の皆さんは揃いも揃って破茶滅茶動物園であり、理解さんの思う「いい子」として振る舞うことは大変難易度が高かった。
    「もうさ、まどろっこしいからさっさと夜這いしに行ってくるね。テラくんの夜這いなら理解くんも嬉しいでしょ」
     早速、堂々と理解さんとの約束を破ろうとしてる人もいるし
    「そだね。人数ではこっちが有利だし、みんなで襲いにいって無理矢理しようか」
    ライン越えの提案をしている人もいる。
    僕は「ふみやさん……」とじとりと睨んだ。
    「はは、怖い顔。でも、理解もそろそろ溜まってるんだろ。じゃあWINWINじゃん」
     ふみやさんの言葉に全員考え込みはじめた時。
    「貴様ら‼︎ いつまで起きてるんだ‼︎マフィアになってしまう!」
     理解さんの大声で僕たちの恋バナは無理やり就寝時間にされてしまった。


     そんなこんなで全員が悶々とした日々を過ごしていたある日
    「大瀬くん、今夜、じっくり話せないかな?」
     理解さんがこんなことを言うものだから、とうとう自分の耳が腐敗してしまって幻聴が聞こえたのかと思った。
    「うぇ、な、何かご不快なことをしてしまったのでしょうか、今夜中には死ぬのでご心配なく……」
     この間の愚行についてのお説教だろうか、それともまた別のやらかしについてのお叱りだろうか。理解さんの手を汚させるわけにはいかない。一刻も早く死ななければ。
    「違う!そうじゃない!」
     理解さんはコホンと咳払いして、少しだけ頬を赤くして綺麗な瞳とこの淀みまくった瞳を合わせた。
    「バタバタしていてあの後、二人きりになることがなかっただろう?ここで一度じっくり話しておきたいんだ」
    「え!? このゴミと話しておきたいことなんてあるんですか?! あ……裏切りに対する制裁……?」
    「じっくり話そう」
    「じっくり……?」
    「部屋で待っていてくれ。覚悟しててね」
     理解さんはそう言ってニコリとお手本のような爽やかな笑顔を浮かべると、すぐに鬼の形相に切り替わり、暴れる皆さんを叱りに行ってしまった。
     僕は寝起きのようなぼーっとした思考のまま部屋に戻る。
    ノロマな脳みそがようやく理解さんに言われた言葉を処理し始めた。
     今夜、クソ吉の部屋で、二人きりで、じっくり話したい?、覚悟して?
     脳が理解を拒むため、もう一度理解さんの言葉を反芻してみた。

    ──部屋で待っていてくれ。覚悟しててね

    …………それって……………………えっちのこと…⁉️⁉️⁉️嘘、マジで⁉️

     理解さんの言葉がお誘いだと思い至った瞬間、顔が赤くなったり青くなったり、血液が熱くなったり冷たくなったりと体と情緒が大狂乱を始める。
     そ、そんなのはダメだ。自分と同じく理解さんとえっちをしたい皆さんに失礼だし、自分には不相応だ。今すぐ死のう、ここで死のう。
     衝動で喉にナイフを突き刺す。
    「……」
    しかし、例の如く自分の魔法の効果によって傷はすぐに塞がり健康な姿体が床に転がっているだけだった。
     床に寝そべっていると少しだけ、頭がクリアになる。天井に近い部分に立てかけられた時計がずいぶんと高い。あと20分で理解さんがこの部屋に来る。
    何をするべきか。あと数十分で最大限理解さんを不快にさせないために、この愚図に何ができるか。

    ──お尻をほぐすことだろう。

    「……」
     これでよかったのだろうか。準備を完璧に済ませてしまった。なんかめちゃくちゃ期待しているみたいで恥ずかしい。浅ましい自分に居た堪れなくなり顔を覆う。
    でも、これで理解さんにお手を煩わせることはない。完璧にすませすぎて、理解さんがくるまでのあと数分がとてつもなく長く感じるな。後ろは理解さんのモノを受け入れたくて期待でぴくぴくと動いてしまう。
     顔をあげると、暇な時間に描いていたシマエナガの絵と目が合ってしまう。なんだか理解さんに全部見られているみたいで恥ずかしくなってきた。一応布をかけておこう。
     その時、ノックと共に「大瀬くん、いいかな?」という落ち着いた理解さんの声が聞こえてきた。
    「はひっ‼︎」
     喉からは引き攣った変な返事が飛び出してしまう。死にたい。
     しかし、扉を開けると素っ頓狂な返事しか返さない愚民に対しても理解さんは優しく微笑みかけてくれた。眩しくて目が痛い。
    「大瀬くん、この間は……その、公衆の面前であんなことを」
    「生きてるだけで恥をかいているようなものなので、これ以上恥をかきようがないです。気にしないでください……むしろこちらの方が、その、理解さんの、その、童貞を奪ってしまったこと、騙していたこと、あらゆることを謝りたいです、ほんと、のうのうと生きててすみません……」
     一度謝るとタガがはずれたように、強烈な希死念慮に襲われる。ただでさえ催眠中の理解さんに股を開いて煽るなど、湊大瀬の分際でなんて淫乱なんだ。このサゲマンめ。
    「君はあれだけ謝っていたでしょう。私は許すよ」
     う、眩しい。後光が光りすぎて理解さんのお姿が見えない。
    「いえ、ごめんで済んだら警察はいりません。このクソは警察に突き出しましょう。殺しましょう」
    「落ち着いて、落ち着いて大瀬くん。確かに私は交際前の人間と肉体関係を結ぶことは言語道断ふしだらの極みと考えているよ。でも、私みたいな素晴らしい人間にあてられて性交を望んでしまう……その気持ちもわかるんです……!」
     そして、理解さんはクソの両手ごと力強く握りしめた。
    「へ!?へ!?」
     間抜けな声をあげ続けるクソ吉を理解さんは正面から抱きしめた。体と体の接触面からドクンドクンと理解さんとクソのどちらのものかわからない心臓の音が響き渡る。このまま不整脈で死ねたらどんなに幸せだろうか。
     幸福感に身を委ねそうになるが、自身にそんな資格があるわけなくこのままだと理解さんの綺麗なお体が腐ってしまうことを思い出し、体を離した。
    「待ってください、待ってください!皆さんを差し置いてこの裏切り者のクソ虫がそのような幸福を享受しては……」
    「大丈夫。安心して私に身を委ねてくれ」
     耳に近づく理解さんの吐息、立ち上がりだす愚息。期待するだらしない穴。どうしよう、どうしよう。
    「今日は、嫌と言ってもやめないよ。逃さないからね」
    「わわわわわわわ」
    場合によっては自分がリードすることになるかと思っていたが、理解さん思ったより余裕がある。どうしよう、オラオラな理解さんもこれはこれで格好いいかも……
    「天彦さんから教わった技、見せてあげましょう」
    「ひぃ……」
    理解さん、もしかして今までの出来事で性技に自信をつけたりしたのかな。天彦さんと隠しレッスンでもしたのかな。やばい、えっちだ。視線だけでイキそう。
    理解さんはぎゅっと固く握りしめていた手の力を緩めた。慌てて逃げようとする僕の手を逃すまいと指先の力だけで引き寄せる。それから磨くように指をごしごしと擦りはじめた。
    「り、理解さん……?」
    ……これは何の儀式だろう。なぜ、この状況で手をごしごしっと手で磨かれているのだろうか。汚い手に耐えきれず手で汚れを拭おうとしているのか。でもなんか理解さんの手でこんな風に触れられるのは初めてだ。照れ臭くて横を向くと理解さんはむふーと満足そうな笑みを浮かべていた。
    「照れているのかな。私は君のそういうところを好ましく思っているよ。もっと顔を見せて」
     胸焼けしそうな甘い言葉に面食らうカスを気に留めず理解さんは耳元で愛の言葉を囁きはじめる。
    「!?ど、どうしたんですか急に!?こんなクソにそんなお言葉不要です」
    「大人しく聞いてくれ、私は君に正しく愛を受け取って欲しいんだ。」
     理解さんはそう言うと、「君がキラキラとした瞳で見つめてくれると心地が良い」「君の控えめなところが庇護欲をそそる」「君のたまに見せる行動力には驚かせる」等自分に向けられているとは到底信じられない歯が浮くようなセリフを囁いてくる。途中から本当に湊大瀬の話をしているのか疑わしかったが、理性とは逆にこの勘違い甚しい己の肉体はズクンズクンと疼く。
     早く触って欲しくて、このまま優しく触ってほしくて、握っている手を下半身に誘導しようとしたその時。
    「どうだい?体をつなげる必要などないだろう?」
    「!?」
    理解さんの顔を見上げると、穢れなど知らなそうな得意げな笑顔が燦々と輝いていた。
    「こうやって、手を繋いで、言葉で伝えていれば、性交せずとも愛を伝えられるでしょう?」
     この言葉で、理解さんのやりたかったことを完全に理解した。理解さんは僕にセックス以外の方法で愛情を伝えてくれようとしていたのだ。
    「こうやって手を握ってスキンシップをしているとと性交をしているような気分が味わえると以前天彦先生が教えてくれたんだ……」
     そう言って理解さんは単調にぎゅっぎゅっと手に力を入れる。理解さんは大真面目だ。天彦さんならもっといやらしい触り方をしていたとおもうが理解さんのこれはスキンシップというより健全な手遊びのような動きに近い。かわいい。しかし、この淫乱豚の下半身は大洪水寸前。最悪だ。
     自身には過言すぎる褒め言葉をいただきながら、一丁前に発情している自分が恥ずかしい。死にたい。もしかして、これ、生殺しのまま一晩中、自分には不相応な愛を囁き続けられるのだろうか。ご、拷問すぎる。これが罪と罰なのか。
    しかし、焦ったい動きに腰が自然と揺れてしまう。限界だ。
    「で、でも、理解さんは……その、直接、触れ合ったり……したくないですか?」
     我慢のできない豚は、にへり、と汚い不器用な笑顔を作って誘ってみる。理解さんの顔がボッと火がついたように赤くなった。
    「……正直そういう欲求が無いと言ったら嘘になる……私は、みなさんと、もう一度お互い合意の性行為をしたいと思っているんです……」
     理解さんは目を逸らして弱々しく本音を吐き出す。その言葉と仕草で、キュンと胸が高鳴り、愛しさが満たす…………前に理解さんはキッと顔を険しく引き締めた。
    「しかし!!それはじっくり愛を育んでから!!然るべき場所!然るべき時にやるべきだ!!でなければいよいよ我々は獣になってしまう!!」
     突如張りのある大きい声で語りはじめた。異常な緩急にビビりのクソ吉の喉がヒュッと音を立てる。
    「あの、然るべき時というのは……」
    「少なくともあと一年間はお互いの仲を深め健全なお付き合いをするべきだね。私が一人一人に秩序ある完璧な交際プログラムを組んでいますから」
    「一年!?」
    「でも、君は、大瀬くんはしっかりと愛を伝えないと死んでしまいそうですから……」
     理解さんの手が僕の手から離れ、頬に添えられる。あんまりな展開と理解さんの眩しさにうっすらと浮かぶ涙を喜びと捉えたらしい理解さんは涙を拭って微笑んだ。
    「しっかり私の愛の言葉を聞くんだよ!」
    「……ふぁい……」
     結局、クソ吉に向かっていいはずのない愛の言葉千本ノックは理解さんが寝オチするまで続くことになる。
    21時を回ったころには、涼しい顔で眠る理解さんと、完全にやる気満々で汁だくだくの、後孔をひくつかせる下品な男がベッドの上で出来上がっていた。理解さんに再び抱いてもらえる日はまだ遠い。


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