君の起こし方。 丞の規則正しい寝息が時計の音と混ざって深夜の空気が伝わってくる部屋で俺はむくりと起き上がった。
4時だ、深夜といったが早朝でもよいかもしれない。スマホを持ち上げて確認したが起きるのにも早いし、「どうしよっかな〜」なんて零しながら隣の人を見る。
きれいだ。
すぅすぅと静かに上下する胸がその人が確かに生きて、眠っているのを伝えてくる。
なんだか気持ちがいっぱいになって前髪を触ってみる。学生の頃は伸ばしていた髪も今や短く、おかげで丞の長いまつ毛がよく見える。思わず目元に口づけそうになったが我慢した。その刺激で起こしてしまったらいけない、こんな時間だし。
「よっ、と」
軽く体に勢いをつけて起き上がる。二度寝しようか迷ったけど起きることにしたからだ。
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