Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    朱居まりあ

    昭和の腐。風魔の小次郎(夢魔‪✕‬竜魔の竜魔右)とファントム無頼(神栗)、マジンカイザーSKL(遼剣)、Fate(クー‪✕‬エミ)を腐った目で見ています。
    EAT-MANは聖域。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 23

    朱居まりあ

    ☆quiet follow

    気分的に神栗分が足りないので。
    (今はモブ☓神田本描いてる最中)

    #ファントム無頼
    phantomVillain
    #神栗

    無題百里基地の夜は、エンジンの残響と星の瞬きだけが支配する。滑走路の端に佇むF-4ファントムⅡのシルエットは、まるで神田と栗原の絆そのものだった。昼間は轟音とともに空を切り裂く戦闘機も、今は静かに眠っている。だが、二人の心は、静寂の中でこそ激しく揺れ動いていた。
    神田鉄雄、二等空尉。陽気で熱血、口より先に拳が飛ぶような男だ。コックピットでは誰よりも大胆に機体を操り、敵機を模したターゲットを次々と撃ち落とす。一方、栗原宏美、二等空尉。冷静沈着、ナビゲーターとして神田の背後で正確無比な指示を出す。名前の文字から女性と間違われることもあるが、栗原は紛れもない男だ。鋭い眼差しと、必要以上の言葉を排除した態度が、彼の存在を際立たせていた。
    二人は出会った当初、火花を散らした。だが、幾多の任務と訓練飛行を経て、互いの技量を認め合うようになった。神田の無謀な操縦を栗原の計算が支え、栗原の堅実さを神田の情熱が引き出す。コックピットの中では、二人は完璧だった。
    いつしか、その信頼は絆へと変わった。基地の片隅で酒を酌み交わし、夜空を見上げながら語り合う。神田の笑い声が響き、栗原の静かな微笑みがそれに応える。そんな夜が、二人を恋へと導いた。誰もいない格納庫の影で交わしたキスは、ジェット燃料の匂いと混ざり合い、危険なほどに甘かった。
    「俺、お前がいなきゃ空なんか飛べねえよ」
    神田の言葉に、栗原は目を細める。
    「馬鹿言うな。俺がいなくても、お前は飛ぶさ。……ただ、俺も一緒にいたいだけだ」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏🙏🙏😭🙏🙏💘💘💘💘👏👏👏💖💙❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    akira_luce

    DONE七夕の時にあげた丹穹。

    星核の力を使い果たし機能を停止(眠りについた)した穹。そんな穹を救うために丹恒は数多の星に足を運び彼を救う方法を探した。
    しかしどれだけ経っても救う手立ては見つからない。時間の流れは残酷で、丹恒の記憶の中から少しづつ穹の声がこぼれ落ちていく。
    遂に穹の声が思い出せなくなった頃、ある星で条件が整った特別な日に願い事をすると願いが叶うという伝承を聞いた丹恒は、その星の人々から笹を譲り受け目覚めぬ穹の傍に飾ることにした。その日が来るまで短冊に願いを込めていく丹恒。
    そしてその日は来た。流星群とその星では百年ぶりの晴天の七夕。星々の逢瀬が叶う日。

    ───声が聞きたい。名前を呼んで欲しい。目覚めて欲しい。……叶うなら、また一緒に旅をしたい。

    ささやかな祈りのような願いを胸に秘めた丹恒の瞳から涙がこぼれ、穹の頬の落ちる。
    その時、穹の瞼が震えゆっくりと開かれていくのを丹恒は見た。
    一番星のように煌めく金色が丹恒を見つめると、丹恒の瞳から涙が溢れる。
    それは悲しみからではなく大切な人に再び逢えたことへの喜びの涙だった。
    「丹恒」と名前を呼ぶ声が心に染み込んでいく。温かく、懐かしく、愛おしい声…。


    ずっと聞こえなかった記憶の中の声も、今は鮮明に聴こえる。
    8