最高の晩餐リオンが自身の理想のために集めた魔道士の中で自分が一番若くて歳が近かったせいか随分親しくさせてもらった。ノール自身も人生で友達がいたとは言えずようやく見つけた親しい間柄というのが皇子というのは気が引けない。相手は王族なのだから、畏れ多いことこの上ないので一歩でも二歩でも引いて接していた。
親しくなっていくなかでそんなノールの気持ちとは裏腹にリオンがとある行動を取り始めたのがきっかけだった。
いつものように魔道研究の書籍を読んでいると、後ろから自分を呼ぶ声がして振り返ろうとした瞬間リオンが自分の体に抱きついてきた。
「リ、リオン様???」
ノールはリオンの行動に驚いてしまった。
自分の顔のすぐ横にリオンの端正な顔があること、それに対してもノールの心中が穏やかにしてくれない。
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