あなたのせい 折り紙のうさぎが完成した時には、もう十二時を超えていた。指先がかさかさとして、潤いを求めている。僕はキッチンに向かい、冷蔵庫から麦茶を出した。残りわずかだったら口を付けて直飲みしてしまおうと思っていたのに、二リットルのペットボトルは満タンだった。兄さんはまだ帰らない。
折り紙に集中して肩が凝るだなんて、なんとも間抜けだ。僕は固まった首をぐるりと回し、腕を大きく伸ばした。明日のレッスンではストレッチを念入りに行おう。酸素を取り入れたからか大きな欠伸が出て、それを合図に眠気がやってくる。
明日の授業は午後からだから、のんびりと寝られる。そう思っていた矢先、ぶ、とスマホが震えた。何の通知かなんて、見なくてもわかった。僕はリビングの電気を消しながら、LINKの表示を確認する。思った通り、雨彦さんからだ。
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