蕾の感情※薔薇は(おそらく)作り物なので枯れはしないけど、レクイエムが身に付けてる分1本とスミレがレクイエムから回収して綺麗にした薔薇1本を交互に付けてるイメージ。
スミレが毎日薔薇を持ってきて、
胸元のと交換する。
来る日も来る日も。
撮影で一緒になったギルティが「いつ見てもお前の薔薇は綺麗だな」と言った。毎日スミレから貰っていることを伝えた。「はースミレのやつやるな」と言われた。スミレが褒められた。
自分のことのように嬉しくなって、
胸元の薔薇を軽く撫でた。
今日も城でスミレが来るのを待つ、
これがもう習慣になった。
チクタクチクタク。
いつもの椅子で脚をぷらぷら。
チクタクチクタク。
スミレはまだ来ない。
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急に予定が立て込んでしまって、行くのが遅くなってしまった。扉を開けると、身体を小さく小さく丸めているレクイエムさんがいた。
「…スミレ?」
「はい、スミレです。遅くなってしまい申し訳ございません!」
「問題ない」
レクイエムさんが胸に手を当てて首を傾げる。
「えっどこか調子が悪いんですか?」
「さっきここから変な音した、スミレ来たら直った。不思議。」
そう言って私に柔らかく微笑む彼。
「私も変な音が聞こえてきました」
不安そうなレクイエムさんが「至急、修理」と言っているのが聞こえましたが、これは直りそうにないです。