6章後の妄想パターン① たぶん、やり方を間違えたんだ。こんなに痛いだなんて知らなかった。心の痛みってものが、痛覚に直接伝わってくる感じ。あのとき以来かな。
だから、もういいよね。終わりにしても。
レテの河にみんなを通すとき、アズールを最後にした。ここでの記憶分だけ消す予定でセットしたアラームを、彼のときだけ眺めに設定した。あとは、みんなより記憶が曖昧な彼に、僕にとって都合のいいことを刷り込むだけ。鳥の刷り込みとおなじくらい簡単なこと。これで、僕は痛みから開放されて、あの子もこの不毛な関係を終わりにできるんだから感謝されたいくらいだ。
僕の両親はアズールとの関係を許さなかった。当然といえば当然だ。僕らは同性同士で、あの子は[[rb:被検体 > キズモノ]]で、技術革新を謳うわりに頭の硬い2人が承諾してくれるとはおもっていなかったから。
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