結婚式ごっこ 【ジューンブライド】と言う言葉が流れ、沢田と山本は顔を上げる。テレビでは結婚式の特集が流れ、幸せそうな新郎新婦が取材を受けていた。結婚式の風景が流れるのをじっと二人で見つめる。
「ジューンブライドって、6月に結婚すると幸せになれるってやつだよな」
「そうだね」
「でも、好き同士で結婚したらそれだけで幸せになれんじゃねーのかな。オレはツナと結婚できたら幸せだと思うぜ」
「オレも山本と結婚できたら幸せになれるよ」
二人は顔を見合わせて笑う。「そうだ!」と沢田はボンゴレリング外すと、山本に手渡す。きょとんとする山本に、「リング貸して」と手を差しだせば、沢田のやりたいことがわかったのか、山本はリングを外して沢田に手渡した。
「えーっと、なんだっけ。まぁいいや。オレは山本を幸せにすることを誓います!」
「オレも、ツナと幸せになるって誓うのな!」
二人はお互いに宣言する。そして先に沢田が山本の左手の薬指に雨のリングをはめた。次いで山本が沢田の左手の薬指に大空のリングをはめる。
なんとなく照れくさくなり、二人して吹き出して笑う。ひとしきり笑うと、視線が交じり合い、山本は瞳を閉じた。沢田は山本の肩に手を置くと、ゆっくりと唇同士を触れさせる。唇が離れると、山本が目を開ける。鼻先が触れ合いそうな距離で二人は見つめ合い、笑った。
「大人になったら、ボンゴレリングじゃない指輪買いに行こうね」
「おう!指輪なら獄寺が詳しそうだよな」
「確かに!あ、でも結婚指輪のことわかるかな?」
「あー…。一応聞いてみようぜ」
「そうだね」
テレビの中の新郎新婦以上に幸せそうに笑い合う二人。
いつか、その左手の薬指にはお揃いの指輪が輝くことを夢見て、もう一度キスを交わした。