突然、新人としてやって来たアイツ (過去作部分) アイツと初めて対面したのは夏のIH予選だった。凄い一年が県内の名朋工業に入ってきたことは、耳にしていた。予選で当たるかもしれないなと、思っていたら、実際に組み合わせでその通りになった。
試合開始前、整列をして向かい合わせになる。俺から見て、斜め左側に並んだアイツを見た時、一年にしてバスケに恵まれた体格に、敵ながら素直に感心した。ただ、感心したのは試合が始まるまでだ。どんどん点差を付けられている中、ゴール下にいた俺は、アイツのダンクによって吹き飛ばされた。全身、特に背中を強打した俺は、担架で場外に運ばれる事となってしまったのだ。
最初、少しでも素直に感心した俺の気持ちを、いっそ返して欲しい。
「大丈夫か!」
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