「ぜんぜんそういうのじゃねェんだけどさ」
燐音は組んだ指越しにじっと藍良の目を見た。燐音のその真剣そうに見える仕草に続く言葉は大抵が碌でもないのだということを、藍良はすでに学んでいた。
「一彩のモノを口に含みたい」
「はぁ〜〜〜、今日は何が来るかと思えばこれだよォ……」
ナッツとブラウニーがたっぷり乗ったチョコレートパフェをつつきながら、深くため息をつく。燐音はさっさと体勢を崩して「いやいや」とまだ何も言及していない藍良へ言い訳を始める。
「ちげェのよ、フェラとかじゃなくて」
「カフェでそーゆー単語出さないでくれます〜!?」
「ちげェくて、気持ちよくさせたいとかじゃなくて、口に含みてぇの。わかる?」
「わかりませ〜〜〜ん」
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