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    BD-rgnd創作

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    BD-rgnd創作

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    一次創作世界線での龍之介×ダイキのCPの小話です。

    龍ダイ小話3「はぁ…疲れた…」

     深いため息をつきながら神社へ続く階段を上る龍之介。
     今日のスケジュールがあんなにハードになるとは…。

     元々は、朝の訓練兵達による全体鍛錬の監督、その後は書類の整理や会議に参加したりと公務を終わらせて帰る予定だった。
    だが、ある村に突如現れた巨大な暴れ猪の討伐に急遽向かうことになったり、妖精の国からの来客に自分が対応するよう父上から申し付けられたり、挙句の果てには訓練兵の数人から剣術の指導をお願いされたりと、怒涛の勢いで急用が舞い込んできた。
    それらを何とか片付けて今帰路についているのだが…


    「もう20時か、流石に飯食い終わってるよな…」

     自身の腕時計を確認しながらとぼとぼと鳥居をくぐり、自宅の玄関の扉に手を掛ける。

    「ただいま…」

    しょぼくれたような声を出し、我ながら情けなく感じる。
    これでは疲れてしまってるのが駄々洩れではないか。
    そう自己嫌悪してると、居間の襖が開き、トタトタと足音を鳴らしながらダイキが迎えに来てくれる。

    「おかえり。だいぶ遅かったね?」
    「ああ、結構仕事が積み重なってな…」
    「…そうだったんだ、お疲れ様」
    「ありがとな。先に風呂入ってくるよ」
    「うん。ご飯用意しておくからゆっくり入ってきて」

     そう言ってダイキはキッチンの方へ向かって行った。
     風呂場へ行くと、俺の普段着やタオルが既に用意されているのが目に入った。
     こういう時のあいつの気配りは心に沁みるな。

     服を脱ぎ、風呂場へ入る。
    全身を綺麗に洗い、例のおっさんのような声を出しながら湯船に浸かる。
     ここのお湯は、神社近くの山から湧き出る温泉の湯を源泉かけ流しの要領でここまで引っ張ってきたものであり、スイッチさえ入れれば常に温泉が流れてくるというシステムになっている。
     そのため、掃除のとき以外は基本お湯が張られているのだ。

    「ふぅ、こういう風呂が味わえるのも我が家の特権だな」

     本来の姿でも足を伸ばせるぐらいの広さの浴槽でお湯の温かさに癒されながら、暫し、くつろぎの時間を堪能した。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    しばらくして風呂から上がり、普段着に着替えて居間に向かうと、ちゃぶ台に夕食の品が並べられていた。
    白飯にいんげんの胡麻和え、だし巻き卵に大根としいたけの味噌汁、そして

    「お、今日は揚げ出し豆腐か」
    「そうだよ。何となく僕が食べたくなってね」

     これはありがたい。
     風呂で少し回復したものの、疲労が残る今の体には好物の肉よりも、こういった優しい味の食事の方が食べやすい。
     それにしても、何だか二人分用意されてるようだが…?

    「ダイキ、お前もしかして飯食べてなかったのか?」
    「うん。龍之介と食べたかったしね」
    「マジか!?待たせて本っ当にすまない!」
    「いいっていいって、大変だったんだし仕方ないよ。それに、おかげで夕食作りに余裕持てたしね」
    「…そう言ってもらえると助かる。この詫びはまた今度するな」
    「別に大丈夫なのに笑 さ、冷めないうちに食べよ!」

     ダイキの言葉に同意し、夕食を頂くことにした。
     大根おろしとネギが乗った熱々の揚げ出し豆腐を頬張ると、つゆに浸り、トロリとした食感を持つ衣と豆腐の柔らかさが口いっぱいに広がる。
     このじんわりとした味わいが揚げ出し豆腐の真骨頂だよな…。
     他の料理も味わいながら、ドンドン白飯をかきこんでいく。

    「…美味い。やっぱりダイキの料理が一番だ」
    「ありがと。お代わりもあるから、今日はたくさん食べな」
    「ああ。なら、さっそく頼んで良いか…?」
    「はいはい」

     空になったご飯茶碗を差し出し、少々恥ずかしがりながらダイキにご飯のお代わりを頼む。
     ダイキは嫌な顔を一つもせず、笑顔で炊飯器から白飯をよそってくれた。
     箸を進めながら、龍之介は今日の仕事についてダイキに話し、それに相槌を打ちながら労うダイキ。
     時間は少しばかり遅いものの、穏やかな夕食の時間を二人は堪能した。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     
    夕食を食べ終えてから一時間経過した頃。
     普段ならまだ起きているのだが、疲労と食後の眠気も相まり、そろそろ寝ることにした。
     現在は洗面所でシャコシャコと歯磨きをしているところ。

    「あ、もう寝るんだね」
    「うん。早めに休んで明日の仕事に支障が出ないようにしたいしな」
    「そっか。僕はもうちょっとテレビ見てから寝るよ」
    「ん、あんまり夜更かしすんなよ」
    「はーい」

     そう返事をしてダイキが洗面所から出ていく。
     俺はコップの水を口に含み口内を洗い流すと、大きな欠伸をしながら寝室へと向かった。
     さっさと布団敷いて寝るか…。
     そう思いながら寝室の襖を開ける。

     すると、そこではダイキが布団を敷いてくれている最中だった。

    「ほい、どうぞ」
    「何から何までありがとな。じゃ、おやs」
    「何言ってんの。これからだよ」

     そう言うとダイキは早く横になって、とでも言うようにポンポンと敷布団を叩く。
     少し怪訝に思いつつも彼の言う通りに布団に寝そべる。

    「…これで良いか?」
    「逆逆、うつぶせになって。マッサージするから」
    「あ、そういうことか。別にそこまでしなくても大丈夫だぞ?寧ろお前が疲れるだろ」
    「遠慮しないで大丈夫だって。これくらい造作もないし、今日はそこまで疲れてないからね。ほら早く」

     半ば強引に体をグルリと反転させられ、枕に顔を伏せるような格好になる。
     そして俺の足元にダイキが体を寄せる。

    「じゃ、やっていくけど痛かったりしたら言ってね」
    「まったく…仕方ない、お願いするか」
    「お任せあれ!」

     やる気に満ちた返事をし、早速龍之介のふくらはぎ・太もも辺りを揉み始めた。

     グッ、グッ、と手の平に力を込めながら押したり、足全体をゆっくりと体重をかけながら揉み解していく。
     今日の仕事で疲れ切った筋肉の繊維が少しずつ柔らかくなるような感覚に、気持ちよさが漂い始める。

    「どう?痛くない?」
    「…ああ、気持ちいいよ」

    実際、あまり力を入れ過ぎないようにしてくれているし、元々ダイキの体重自体が軽いおかげで丁度良い力加減になっている。

    「それにしても上手いな」
    「えへへ。昔お祖父ちゃんたちにやってあげてたんだけど、その時の感覚が今でもあるおかげかな?」
    「そうだったんだな」

     話の最中にダイキが足に跨り、今度は上半身部分をマッサージしていく。

    「あの時は子供だったし、力もあまり無かったからそんなに上手く出来なかったけど、お祖父ちゃんたちは上手だね、って褒めてくれたんだ」
    「そうか…どうやらその言葉はお世辞とかじゃなかったみたいだな。すっごい気持ちいいよ」
    「そう、ありがと」

     腰や肩甲骨辺りをグルグルと揉み解され、その気持ちよさに少しずつ眠気が漂ってくる。
     瞼にも少しずつ重しが乗っかってきているようにトロンと微睡みを浮かべていた。


    「…ダイキ、今日はありがとうな。色々先回りして俺を気遣ってくれて」
    「お礼なんていいよ。龍之介が疲れてるのを見て放っておけないし」
    「謙遜なんてしなくて良い。お前のおかげでだいぶ癒されたのは事実だしな」

     風呂場に服やタオルを前もって用意してくれたり、食べやすい夕食を作って待ってくれていたり、布団を敷いてマッサージもしてくれてる。
     ダイキが俺の傍にいてくれるから俺はついつい甘えてしまうんだろうな。


    「甘えてばっかで、駄目だな俺…」
    「…そう?龍之介はよく頑張ってると思うよ」
    「…そうか?」

    「うん。朝の鍛錬とか公務は勿論、困ってる人たちを助けてあげたり、色んな人との関わりを増やしたり、悩みが解決できるよう寄り添ってあげたり、十分頑張ってると思う。だから、自分をそんなに卑下しないで」

    いつの間にかマッサージを終え、優しい手つきで俺の頭を撫でてくれる。

    「それに、龍之介が僕に甘えてくれるの、すっごい嬉しいんだ。頼ってもらえてるんだなぁって。だから遠慮しないで、疲れた時は沢山甘えてよ」

     撫でる手と共に穏やかな微笑みを見せてくれる。
     …そうだな。お互いに支え合うって約束したのに、遠慮してしまうのはあまりにも失礼だな。
     なら今度から、いや、今からは頼っていくことにしよう。

    「…分かった。なるべく心掛けるよ」
    「うん、そうして」
    「ダイキも、疲れたりしたら、俺に頼ってくれて…良い、から…」
    「…そうさせてもらうよ。おやすみ、龍之介」

     ゆっくりと瞼を閉じて夢の中へと旅立とうとする最中、額に何かが触れたような感覚がした。

    ~終~
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