無題(ほんとに結婚するんだ)
言葉にすると更に悲しくなる。仕方ない、いや当たり前と言うべき。だって相手はボスなのだから。
いくら幼馴染みの私が結婚相手に自己推薦した所で血筋で門前払い。ボス──Gには、全てにおいて"きちんとした"女性が似合う。
仕事が終わり、ボスがいない執務室で私は何をやっている。時計を見ると、八時を回っていた。
(帰ろう)
みんなのGでいられるのは一ヶ月後の結婚式まで。その後は、選ばれし奥様のGだ。溜め息をつき電気を消そうと、ドア付近に寄った時であった。扉が開いたのは。
「ボス……?」
今の時間、ボスは自室にいる筈だ。今日は残業も無い。
「ここにいたのか」
「何かあったのか?」
私を探していたようだ。体を部屋の中に入れ、扉を閉める。この瞬間、鍵を絞めた事に気付けば良かった。
「いや……何も」
「では探し物か?」
「まあ……お前かな」
その言葉の後、体のバランスが崩れ、床の上に押し倒されたと気付くのは頭を打ち付けてから。
「ボス?!」
「ジョット……!」
意味が解らない。ボスが私を押し倒すなどと。昼間だって、普通に仕事をしてたのに。
「いや!!」
恐怖心でがむしゃらに手を動かし、Gの頬に当たる。痛みで停止した隙に、私は体を起こしてドアに向かう。
……開かない。鍵が絞まったまま動かない。
「どうして……?!」
「大空の炎を使った。俺じゃねえと開ねえよ」
覆い被さる影。束縛される前に、私は今度は窓に逃げる。
案の定だが、ここも。防弾ガラスで割る事も許されない。Gが笑みを浮かべながら近付いて来る。
そしてついに壁づたいにしか移動出来なくなり、私は角に追いやられた。
「ボス……!」
右手を捕まれ、引かれソファに投げられる。だめだ。初めから考えて、この男に勝てるわけがない。
ソファでも隅に逃げ、私は泣きそうになりながら問う。
「G、私何か悪い事したか?なら謝る。謝るから……!」
「いいや」
Gの片足がソファに乗る。
「なあ、ジョット」
「な、なに……」
「俺の子を産めよ」
頭が真っ白になった。何を言い出すんだ。
固まる私をよそに、Gが私の脚を掴む。今日のスーツはズボンではなくスカートである事を果てしなく悔やんだ。ふくらはぎを撫で回す動きが嫌らし過ぎて怖くなる。
「お前の体は、俺の子供を孕む為にある」
「何を言って」
「お前は俺のものだ」
怖い。だってその眼は、本気の眼だ。冗談で流したら怒られる。いくら私がGを好きと言えど、強姦されるのは嫌だ。
「この脚」
「!」
脚を上げられスカートが開く。羞恥で押さえようとするが意味が無かった。Gは舐めるように中を見ている。
「手、胸、顔、髪、子宮に至るまで、お前は俺のもんだ」
Gがついに私にのし掛かって、もう逃げられない事実を突き付けられた。大声を出そうものなら、布やら何やらで塞がれてしまうそうな、Gの本気の眼。
「黙って俺に犯されろ。そして孕め」
****
熱い。熱い。おかしくなる。
「ほら、全部入ったぜ」
ぐいっと頭を傾かせられ、結合部を見せられる。確かにそこには、私とGが繋がっている証拠があった。そして処女喪失の証も。
「狭えな……」
私はシャツ一枚だけ残されて後は脱がされたのに、Gはズボンのチャックを下げただけ。いかに早急かよく解る。
私は、処女を奪われた。
「動くぜ」
「いや、待って、お願いだから……」
少し痛みだってある。この乱暴な生物が動き回るのが恐ろしい。
「黙って犯されろって、俺言ったよな?」
ずん、と奥を突き上げられる。恐怖感とか、恥辱とか、そんな事すら考えられる暇も無いうちに。
「いやあっ!あっ、あっ、あっ……❤️」
途切れ途切れの声しか出せなくなり、ただ律動に耐えた。
この時から、私の中でまた別の恐怖心が生まれる。快楽だ。堕ちる。堕ちてしまう。強姦されているのに、と。
「あん?腰揺れてんじゃねえか。体は正直だな」
「ちがうっちがうのぉっ❤️」
「気持ちいいんだな?そんなに絞めんなよ」
「ちがうの……❤️」
気持ちいいわけない、筈なのに。Gが引く度震え、突き上げらて悦んでしまっている。
さらに、じりじりと、沸き上がってくるものを知る。ダメだ。これだけは。越えないで。
「やあああっ!!いく、いく、いっちゃうぅうっ❤️❤️」
「イけよ。好きな男にレイプされてイけ」
意思とは関係無く、腰がうねる。ひくひく膣が収縮する。肉棒をいとおしそうに締め付けて、私はいってしまった。
「あ、ああ……❤️」
「あんだよ。お前こういうの好きだったのか。早く犯しちまえば良かった」
「……はぁ、あっ……❤️」
受け答えもまともに出来ない。気持ちいい。
「じゃ、おかまいなく」
「あ……?!」
Gが再び活動し始める。考えられない、この事しか、もう。どうだっていい。結婚するとか諦めるとか。どうだっていい。
「宣言通り、中に出すぜ」
「んあ……っ、赤ちゃん、出来ちゃう………っ」
肉棒がこれ以上無く膨らんで、私の中を圧迫して。子宮の壁に突き付けられた亀頭から熱い精液が出てくる。どぷ、どぷっと壁の穴を抜けて私の子宮を満たす。
「入って、くるう………いっぱい……きて……❤️」
初めて外部のものを受け止めたそこは喜んでいるように思えた。
「しばらく入れたままにするからな」
ソファの上で脱力する私とは反対に、Gは汗を掻いているものの疲れた様子もない。中にある雄だって固さも変わらなかった。まさか、このまま……、私の予想は的中する。
「たっぷり仕込んでやる。お前がちゃんと孕むようにな……」
ああ……、もう、なにも。なにもかんがえられない。はらみたい。Gのこどもがほしい。わたしを、おかして、はらませてほしい。もう、なにも………。