年の初めの。新しい年のおとづれ。
昨日と変わらず穏やかに日が登る。
けれども、昨日とは違う朝。
気持ち一つで、こうも感じ方が変わるものか。
登る朝日がいつもよりも清らかなものに感じられ、なんだかおかしくて鼻を鳴らした。
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チェカは、足取りも軽く王宮の廊下を進んでいた。
新年、初めて言葉を交わす相手は決めている。愛しい人。共に生きてゆくと心に決めた人。
残念んなことに、昨晩は公務で会えずじまい。就寝前にせめて一眼と思ったが、あまりにも常識の範疇を超えた時間だったため断念した。
え?0時の時点で年明けだから、今年初めて言葉を交わしたのは別の人じゃないかって?いやいや、確かに側仕えとも言葉を交わしたけど、太陽を信仰するこの国では、日が上ってからが新年ですから!
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