処は結界領域、塾生達は戦争前夜とは思えぬ程他愛もない話をしていた。肉体が崩壊した魔神は、心臓で城塞を造り大地を侵食している。だが、全員が集まってしまえば子供たちには造作もないことだった。
燐とオセオラ特製のカレーを平らげ、遅れてきた勝呂が生きて帰ったら何がしたい?と話しだし、各々あーだこーだと夢を言い合い唯一志摩はフラグだフラグだと騒いでいた。
和やかな空気はすぐに終わりを告げる。翌日に備えて早く寝ろと諭された塾生達は各自自身の寝床に歩いていった。
志摩は、少し出雲と勝呂と話した後に自分のテントに向かったが、そこで思わぬ人物に会った。
「あり?燐くん?先寝に行っとらへんかったっけ?」
「お〜、いやちょっとお前に用があってさ。」
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