「お前彼女と別れたの?」
「…なんだよ、悪いか?」
「いや、別に…仲良さそうに見えたから」
「…」
彼女と別れて数ヶ月が経った。
特に仲良くない同僚にまで「別れたのか」「何故」「仲良さそうだったのに」と散々言われ、ようやく落ち着いたと思ったらまたこれだ。
居心地が悪くなり俺はトレーニングセンターを出て、気がついたら廃ビルの屋上までやって来た。
雲ひとつない夜空に星が瞬いている。
ここに彼女と来て夜よく星空を眺めていた…
「……」
頭を振り、時々思い出す彼女との想い出を振り払う。
この街は彼女との想い出が多すぎる。
「…ここから見える星空が最高なんだよね」
「…うん、そうだよな………!?」
振り返るとそこに彼女が立っていた。
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