とおくなってしまったひさしさ僕には歌しか無かった
歌というのもおこがましいただの叫びでしかないそれでも歌っている時だけは生きてるって思えたんだ。
叫んで叫んで叫ぶ限界まで叫んだ後の僕が感じるはずのない痛みのような感覚がどうも心地が良かった
それでも満たされない時につけた増え続ける傷跡...
それは感じることの出来ない痛みを具現化してくれる喜びとまた死に損ねたという悲しみを僕に植え付けた。
ぼーっと手首に巻かれた包帯を眺めてると
「なぁ斬崎あん時の傷もう治ったんか?」
そう話しかけてきた。僕のことなんて興味無いと思ってたから正直びっくりした。
「あん時?あー、ひさ子が初めて僕を抱き上げた日のことか。」
「くそっ、あれは事故だろ。変な言い方すんな」
「んーあの時のはどれだろう。これかなぁ?」
「(うわっ、すげぇ数...)もういい早く隠せ」
「めんどくさい」
「んっ」
「なに。」
「巻き直してやるから早く手だせつってんだよ。」
「ひさ子って優しいんだね」
「うるせー。」
「ありがとう」
「ほら、巻き終わったぞ。バンド練再開するぞー」
「...」
▷▷▷
キャーーーー!ウォーーー!
今日のLIVEの感想を聞かれたら相当盛り上がってたんじゃない?と答える。
他人事みたいだねって言われたら僕は「そうだよ」って答えると思う。
ステージ上に投げられた空き缶やゴミを踏みつけながら楽屋に戻る。
いつも僕より遅れて楽屋に入ってくるひさ子は日に日に僕に近づいてきてる気がしてなんだか嬉しかった。
このまま僕のように、この世界に絶望しよう本気でそう思っていた
▶▶▶
LIVE終わりは私へ投げられたゴミたちを片付け、斬崎に踏みつけられ壊れた高そうなアクセサリー
間書く気力無くなったwww
ご!
めー!
んww
死んでから気づくなんて僕はなんて愚かだったのだろう。
「あんた最高にイカすよ。」
誰に出逢っても誰に何をされても何も感じなかった僕がこんな言葉を発した時点で気づくべきだったよな。
僕がしてきた事は全て"愛"によるものだったんだと....
「いい夢...だったな。」
𝑒𝑛𝑑~