ホワイト・アウトこの季節になるとネオンライトとイルミネーションの区別が付かなくなる。
街中が浮かれぽんちのおめでた気分で、朝から晩まで外国のクリスマスソングが流れている。
だが、今日は12月24日_クリスマス・イブ。この幸せムードも残りあと一日の短い命なのだ。
そう考えるとまったくひとというものは情緒がないというか、薄情である。
「いつまで選んでんだよ!麻矢!」
おーっ寒い!無宇が身震いする。
「うるさいなぁ、寒いなら車で待ってろよ!」
ぶちぶちと文句を垂れながら車に戻っていく相棒を冷ややかな眼差しで麻矢は見た。
車を離れて10分も経っていない筈なのに車内は冷え切っていた。たまらず暖房を付ける。
しばらく待っていると紙コップを両手に持った麻矢が戻ってきた。
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