「お引き受けします」
そう言って相手の顔を上目遣いに見つめて少し細めれば、気分も良さげに男は目を細めて俺を見下ろす。
そうやって下賎の者を見下ろすようにして差し出されるのは醜い欲だ。
何度も繰り返してきた行為は、自分の身体に驚くほど染みついている。
どうすれば相手を優越感に浸らせて、どうすれば相手を善くさせられるか。
最初の頃は気持ちが悪かった。それはもう吐いた。だが其れさえも気に入ったといわんばかりに、最後まで自分の好きなように俺の身体を弄んだ男は、確かに言った通りの契約を交わした。
この身一つでそれが叶うならば、なんだって使ってやろう。それが俺の生き方で、考え方だ。だからその男にはいいことを教えてもらったと、今では思うし、未だに付き合いはある。もちろん仕事上のでのだ。
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